次代の社会統合の場を考える④~何をするにもお金がかかる社会~
前回の『次代の社会統合の場を考える③~私権闘争の抜け道が、交換取引の場=市場である~』では、絶対身分固定の武力統合時代のなかで、私権獲得への抜け道として市場が誕生したことと、人々が快美幻想(自分ももっと豊かな暮らしをしてみたいという気持ち)を膨らませることで市場が拡大してきたことを明らかにしました。
そしてもうひとつ、市場拡大のテコとなったものがあります。
それが「お金」なのです。
今回のシリーズでは、
・全てにお金がかかるようになったのは何故か?
・そもそも、お金が何故必要になったのか?
を掘り下げてみたいと思います。
(写真はこちらからお借りしました。)
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お金が使われる以前は、現物を交換することで取引は成立しました。
何かを仕入れる為に、交換するものを担いで行くのには大変な労力を要します。また、「米○gを以前は魚○匹と交換したけど、塩だと○gに相当するのだろう」と米の量でも魚何匹に相当するかは人それぞれ違い、価値を測るのに手間がかかってしまいます。更に、蓄財ができないというデメリットがあります。
その不具合を解消してくれるのが「お金」だったのです。
「お金の本質に迫る」1~お金が生まれてきた背景~
「お金の本質に迫る」3~国家と紙幣の関係~
以下にそのメリットをまとめました。
・1、それ自体に価値がある(金)
・2、何にでも交換できる
・3、蓄財できる
・4、持ち運びが容易である
売る側にとっても買う側にとっても普遍的に価値を表せる「お金」は非常に便利なものでした。
この誰もが認める「お金」の登場によりスムーズな交換が可能となり、その結果市場の急速な拡大に繋がったのです。
ところが、市場(交換取引)は私権闘争を原動力としており、従って、
人々が快美幻想を追い求め拡大し続けた市場。
現代でも、「市場が拡大する事は良いことだ」という思い込みが残存しており、その結果が今の社会です。
(写真はこちらからお借りしました。)
環境問題にせよ今回の原発問題にせよ、市場が生み出した問題を解決する力が無いということは周知の事実です。
本当に市場を拡大し続けることは正しいことなの、一度立ち止まって冷静に捉えなおす必要がありそうです。
次回のエントリーでは、市場と国家の関係を具体的に探ることで、市場の統合限界はどこにあるのかを明らかにしていきたいと思います。
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