2010年08月26日

国の借金900兆円どうなる!?~番外編~「紙幣」は利息が付かない借用証書

「国の借金900兆円どうなる!?」シリーズ
【シリーズの題名と主な項目】
   シリーズ1.日本財政の現状は?
     1.日本財政の現状
     2.日本財政の今後
     3.日本が潰れないのはなんで?~国債引受先とその本質~
   シリーズ2.家計が国債を引受けられるのはあと何年?その先はどうなる?
   シリーズ3.日本国債=日本財政の命運を握るのは?
     ○では、さらなる新規国債を「誰が」買うのか?
     ○海外の金融機関が日本国債保有を増やしていった時、為替レートが円安に反転すれば、
       どうなるか?
     ○こうなると、政府すら救済しようのない危機局面に入っていく。
     ○国家財政を市場が監視する構造
   国の借金900兆円どうなる!?~番外編「Q&A」集~
     Q.借金し始めたのは、いつから?なぜか?
     Q.これ以上、政府が借金しないようにするには、どうすればいいの?
     Q.国民は国の借金の事をどう思っている?
     Q.国の借金900兆円が大丈夫と言われているのはなんで?
     Q.直近の経済政策はどうなっている?→結局、補助金で「無理やり消費」
     Q.製造業の生産量を減らせられないのはなぜか?⇒どうする?
日本政府の債務=借金を扱ってきた今回のシリーズですが、様々なコメント、疑問、切り口を考えていく中で、資産と負債の関係、つまりバランスシート(B/S)に焦点が絞られてきました。今回は、バランスシートの考え方=資産と負債の考え方から、経済システム=中央銀行制度を追って行きます。
>バランスシートって、なに?については、コチラ

http://blog.livedoor.jp/nandeya_umeda/archives/50876339.html

sikinjunkan.JPG
■日本全体の金融資産・負債残高
日本全体の資産と負債の繋がりを図にしたものは、日銀HPに掲載されています。
日銀・資金循環統計

http://www.boj.or.jp/type/exp/stat/exsj01.htm

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・・・なぜ、この図の中に日銀が入っていないのか、非常に疑問です・・・。
例えば、(右から)家計の預金757兆円+一般企業(民間非金融法人)の預金167兆円が銀行に流れ(997兆円)、それが、(他金融仲介と合わせて)家計、企業、政府に(貸し出し・証券という形で)向かっている。
逆に、左の一般政府の負債から見れば、一般政府が誰から借りているのか、及び誰に国債を買ってもらっているのかと見れば、家計と企業から金を預かった金融機関が貸している(国債を買っている)比重が高いことが分かります。
国債の発行残高と家計の預金(や金融資産)が比較されることが多いのは、純資産(=資産-負債)の残高が、家計が最も大きいからです。ここ2~3年の日本国債バブルには、設備投資を控えた企業が余剰資金を銀行に預け、銀行がその資金を(借りる企業が無いので)国債に回してきたという事情が存在します。
金融仲介機関を除いた負債と資産とを比較すると、一般政府の負債を最も大きく引き受けているのが家計の預金である現状から、家計の金融資産と政府の負債が比較され易くなっています。
■もっと単純化すると、どうなるか?
この複雑な(しかも、日銀が入っていない)資産と負債の繋がりを、国債を中心に見てみると、こうなります。
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(※日本銀行による国債の直接買い受けは禁止されています。日銀は銀行を介して国債を買っています)
当たり前ですが、誰かの金融資産は、誰かの負債です。逆に、誰かの負債は、誰かの金融資産です。国債は、国にとっては借金(いずれ返さなければならない)ですが、保有者にとっては、資産(いずれ現金を受け取れる)となります。同様に、預金は我々にとっては資産ですが、銀行にとっては負債(いずれ返さなければならない金)です。
■日銀のバランスシート
<資産>
国債———-76.6兆円
貸付金——-32.5兆円
外国為替—–5.4兆円
金地金———0.4兆円
・・・・
計————117.0兆円
<負債・資本>
発行銀行券—77.3兆円
当座預金——-17.1兆円
準備金————2.7兆円
・・・・
計—————117.0兆円

概略で言えば、
・日本国債を76.6兆円分買い、
・金融機関への円での貸付を32.5兆行い
・米ドルでの貸付を5.4兆円行い、

それらの資産を根拠にして
・77.3兆円分の紙幣を発行し、
・17.1兆円を、金融機関と政府から預っています。

日銀のマネー供給額とは
「紙幣発行の77.3兆円+当座預金での預かり17.1兆円=94.4兆円」を言います。
そのマネー供給の裏付けになっているのが、
「国債76.6兆円+円の貸付証書32.5兆円+ドルの貸付証書5.4兆円=114.5兆円」です。
つまり、日銀に限らず、各国中央銀行がマネーを供給するときは
(1)担保として国債を買う(2)貸付証書を作成する(3)金融機関が持つ証券を買う
ことになります。
そして、中央銀行(が発行する紙幣)の信用は、
(1)担保として取った国債の信用(=国の財政の信用)、
(2)民間金融機関への貸付証書の信用(=金融機関の財政の信用)、
(3)買った証券の信用、ということになります。
中央銀行の信用とは、国家財政の信用と金融機関の信用とで成り立っており、その中でも国債つまり国家財政の信用が基盤となっています。国家財政の信用=国債の信用=その国の通貨の信用となっています。
■紙幣は中央銀行の借用証書?
政府(国)にとっての国債は、借金ですからもちろん負債です。国債を保有している人間は、満期になれば利子が付いて紙幣が戻ってきます。
その国債を買い取って紙幣を発行している日本銀行にとっては、保有している国債は資産ですが、それを元に発行している銀行券(紙幣)は、負債です。兌換紙幣の時代なら、紙幣を中央銀行に持って行って出てくるのは、金goldでした。現在は、紙幣を中央銀行に持って行って得られるのは、国債です(管理通貨制度の元では有り得ませんが)。
「政府にとっての国債」と「中央銀行にとっての紙幣」は、同じ負債性の証券であるにも関わらず、『利子が付くか付かないか』という大きな違いがあります。
銀行から(利子が付く)国債を買い受けた日銀は、小額の利子が付かない紙幣という形にして、銀行に戻しているとも言えます。
一方では利息を払わなければいけない国債を発行する政府と、一方では利息を払わなくてもいい紙幣を発行する中央銀行。70兆円規模で(銀行を介して)政府と日銀でやり取りされている証券で、日銀は一方的に利息を得て、政府は一方的に利息を払わざるを得ないのが現状だということです。
この構造の中で、政府が累積させる債務を、返済することができるのか、非常に疑問です。
■政府紙幣発行論
中央銀行が発行する「紙幣」にしろ、政府が発行する「国債」にしろ、政府への信用が基盤となっています。国債には利息が付くからこそ、市場で売買される際の価格が決まり、そうであるからこそ資産価値が変動します。
では、国債の利息をゼロにしてしまえば、どうなるのでしょうか?国債を「利息が付かない」ものにしてしまえば、同じ政府への信用を基盤とした紙幣が刷られることになるだけです。中央銀行支配解体に向けての政府紙幣発行は、利息ゼロの国債発行がその端緒となるのでは、ないでしょうか?
(ないとう)

List    投稿者 tnaito | 2010-08-26 | Posted in 未分類 | 2 Comments » 

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コメント2件

 通りがけ | 2011.04.25 0:48

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