2010年07月26日

ブログ界の現況~「無知な大衆と優秀なエリート」という騙しからの脱却が必要

「本能的な秩序収束⇒課題収束⇒草の根共認⇒ネット収束」において、今後の追求テーマの一つとして、次の課題が提起された。

マスコミが主導権を失ったとしても安心はできない。∵現在のネット界の大半は旧観念(近代思想)に囚われているからである。これを突破しない限り、新秩序は構築できない。

インターネットはマスコミに代わる次代の世論形成⇒認識形成の場となる可能性を秘めているが、それを実現するためにもインターネット世界の健全化が不可欠である。
その前提として、現状のブログ界がどのような状況にあるのか、その現況を見てゆきたい。
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民主支持ブロガーを中心に、先の参院選の結果について、失望感や敗北感が広がっている。そして、比較的良識的なブログの中にさえ、民主党を大敗させ自民党を勝たせる投票行動をとった大衆の「無知」に対する否定的な発信をするブログが見受けられる。
しかし、重要なのは、「民主が負けた、自民が勝った」と選挙結果に一喜一憂することではなく、その背後にある意識潮流、つまり民意がどこに向かっているのかを読み解くことである。
本当に、自民党は勝ったのか? 
本当に、大衆はマスコミや官僚をはじめとする特権階級のペテンに騙されただけなのだろうか。
『るいネット』「’10年参院選 民主も自民も票を減らした/結果を大きく左右する10%の浮動層」からの引用。

2010年参院選は、民主党が「過半数割れ」まで負けるに留まらず、自民党に議席数で負けるという結果で終わった。
しかし、自民党は「勝った」のだろうか?比例代表での政党別得票率の推移を見て、政治に対する意識の変化を見てみたい。
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        増減       2010年7月参院選  2007年7月参院選
民主  ▼481 万(▼ 7.9%)  1,845 万(31.6%)    2,326 万( 39.5%)
自民  ▼247 万(▼ 4.0%)  1,407 万(24.1%)    1,654 万( 28.1%)
みんな △794 万(△13.6%)  794 万(13.6%)
公明  ▼ 13 万(▼ 0.1%)   764 万(13.1%)     777 万( 13.2%)
共産  ▼ 84 万(▼ 1.4%)   356 万( 6.1%)     441 万( 7.5%)
社民  ▼ 39 万(▼ 0.6%)   224 万( 3.8%)     263 万( 4.5%)
たち日 △123 万(△ 2.1%)   123 万( 2.1%)
改革  △117 万(△ 2.0%)   117 万( 2.0%)
国民  ▼ 27 万(▼ 0.4%)   100 万( 1.7%)     127 万( 2.2%)
その他 ▼190 万(▼ 3.2%)   114 万( 1.9%)     304 万( 5.2%)
合計   ▼ 46 万          5,845 万(100.0%)   5,891 万(100.0%)
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「自民が勝った」と報道されることが多いが、「自民も民主も負けた」が正しい。勝ったのは、「みんなの党」を始めとする小政党だった。2007年の参院選で自民か民主に投票した層を、「みんなの党」「たちあがれ日本」「新党改革」が吸収していった。
・「みんなの党」代表:渡辺喜美、幹事長:江田憲司/脱官僚の政策、金融規制緩和政策、郵政公営化の阻止政策
・「たちあがれ日本」代表:平沼赳夫、共同代表:与謝野馨/郵政民営化反対、反民主党
・「新党改革」代表:舛添要一、幹事長:荒井広幸
次に、比例代表での政党別得票率の推移を、衆院選挙と組み合わせて見てみる。
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    05年衆 07年参 09年衆  10年参 10年-05年
民主  32% → 39% → 42% → 32%    0%
自民  39% → 28% → 27% → 24%   -15%
みんな             →  4% → 14%    14%
公明  13% → 13% → 11% → 13%     0%
共産   7% →  7% →  7% →  6%    -1%
社民   6% →  4% →  4% →  4%    -2%
たち日                   →  2%     2%
改革                    →  2%     2%
国民   2% →  2% →  2% →  2%     0%
その他  2% → 5% →  2% →  2%     0%
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2005年の衆院総選挙(郵政選挙)からどのように推移したのかを見てみると、2010年の参院選の結果は2005年の衆院選の状態に戻っている。自民党は2005年を頂点に右肩下がりで支持を失っており、その分(15%分)がそっくりそのままみんなの党への支持層に変わっている。
この15%が浮動層と言われる層であり、選挙結果を大きく左右している。2009年衆院選では、この15%分の内10%が民主党へ、残りが自民とみんなの党に流れた。この結果、民主党が第一党となり、鳩山政権が誕生したことは記憶に新しい。逆に2010年参院選は、民主党が引き付けていた10%の浮動層(09年総選挙 10%の自公支持層が民主党へ)が、みんなの党へと向かい、今回の躍進に繋がった。
2009年衆院選の民主党、2010年のみんなの党、共通するのは「野党である」だけでなく、官僚批判と行政改革の必要を強く訴えていたことである。逆に、民主党から離れて行った10%は、消費税問題だけでなく、官僚(財務省)に取り込まれ劣化していく民主党を見放したとも言える。つまり、大きく票を動かす浮動層の大半は、官僚主導型政治に対してNOを突きつけていると捉えることも可能で、(従米派政治家でもいいから)官僚支配に歯止めを掛けることができそうな政党を探していることになる。

このように自民党は勝ったのではなく、民意から見放されてゆく一方である。次の国政選挙では得票率は20%を割り込むだろう。これまで好き放題に格差を拡大し、権力の乱用を繰り返してきた特権階級に対する大衆の怒りと不信と危機感こそ、自民党が見限られた理由である。そして、その点は今回の参院選における民主党政権も同様で、権力中毒の官僚たちの言い成りになった民主党が支持を失うのも当然である。『るいネット』「潮流8:自民党は、なぜ見限られたか?」
つまり、大衆意識は’09年衆院選から特権階級支配を跳ね返す方向に向かっており、そのベクトル上に今回の参院選もある。
従米政党ではあるが、同時に反官僚を唱える「みんなの党」が議席数を増やしたのも、それが理由である。従米から脱するためには、まず官僚支配から脱却しなければならない。官僚こそ、自らの特権維持のために従米路線に固執し暴走する、最大の反動勢力であるからだ。従って、官僚支配から脱却してはじめて脱米が可能になる。その意味で、民意がまずは脱官僚支配に向かっているのは大局的にみて正しい判断である。当面の政局の焦点は、特権階級の暴走を如何にして抑止するかであり、その方向に民意は着実に向かっている。
にもかかわらず、何故、多くがブロガーたちが、今回の選挙結果に失望し、大衆を「無知」として否定視するような言動さえ登場するのか?
現実世界を構成する民意がどこに向かっているのか、それを肯定的に対象化していないからだと考えられるが、その原因として「大衆は無能、エリートは優秀」という近代固有のパラダイム(騙し)があるように思う。このパラダイム(騙し)に良識的なブロガーたちも嵌っているのではないだろうか。
★「大衆は無能、エリートは優秀」というパラダイム(騙し)は、近代民主主義の基本的な枠組である。
本ブログ2007年11月25日「金融資本による世論操作の歴史①」

金融資本→国家による世論操作に利用されたのが知識人たちであったということだ。現在につながる知識階級を使った世論操作の原型がここにある。その中の一人がウォルター・リップマンである。彼はその著『世論』(1922年)で、民主主義の基盤となる国民の世論はマス・メディアの支配下にあり、そこでは3つの階級に分かれていると述べている。
1.「真の」権力者: 支配的な財閥
2.第一の市民階級(特別階級): 政治家、官僚やマスコミ、経営者
3. 一般の人々(大衆)
そこで、大衆は社会の公益を理解できないアホと見なされ、アホな大衆を傍観者とすることではじめて民主主義が正しく機能されるとされた。そこで大衆を傍観者たらしめる武器がマスコミによる世論操作である。これが20世紀の民主主義の基本的な枠組みだったのだ。

世論操作という手法によって大衆が望んでいないことを承諾させることができ、またそうすることが必要だと考えた。なぜなら大衆には公益が何であるかが分からず、それを理解し、管理できるのは少数エリートの「知的階級」だけであると言うのだ。
リップマンはこの主張を進歩的な民主主義の理論でさらに裏付けた。正しく機能している民主主義には階級ができる。そして物事を分析、実行し、意思決定を行い、政治、経済、イデオロギーのシステムを動かす少数の特殊階級が、残りの人々をどうすべきかについて話し合う。そして、残りの大多数、つまりリップマンの言う「烏合の衆」の雑踏や怒号から自分達の世界を保護するのだ。烏合の衆の役割は民主主義社会における「傍観者」である。民主主義を掲げるからには、烏合の衆にも選挙によって特権階級の一人を自分達のリーダーとして選ぶことが許されている。しかしそれが終われば、また単なる傍観者として引っ込むのである。これが正しく機能している民主主義なのである。なぜこういった状況になるのかというと、一般大衆はあまりにも愚かで物事を理解できないためにやむを得ないというのだ。

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このように、無知で無能な大衆を優秀なエリートが先導(洗脳)するというのが、近代民主主義の枠組みである。しかし、本当にエリートは優秀なのか?大衆は無知で無能なのか? 事実は全く逆ではないか。特権階級たちが如何に無能であるかは既に明らかにしてきた通りである。
2010年04月07日『「特権階級は無能」のまとめ』
2010年07月15日「CIAは実は無能なダメ機関⇒支配の中核を成す騙し「エリートは超優秀」の崩壊」
それに対して、今回の参院選における大衆の投票行動は大局的にみて正しい。
20世紀の大衆が無知であったのは一面の事実ではあるが、その最大の原因は遊び第一の価値観である(但し、これも特権階級支配のための洗脳の結果である疑いが濃厚)。ところが、既に遊びは失速・終焉し、課題収束の潮流が顕在化している。2010年02月13日「企業における『共同体的』仕組みの事例」つまり、「大衆が無知・無能」というのは今や過去のものになりつつある。この流れは今後ますます加速してゆくだろう。
ところが、現在のブロガーの多くは「大衆は無知で無能、エリートは優秀」という近代社会の騙しの罠に未だに嵌っているのではないだろうか。だから、表面的な選挙結果に一喜一憂し、自らの支持政党、例えば民主党の敗北原因を大衆の無知無能に求め、大衆否定視に陥るのではないだろうか。
しかし、必要なことは、現実世界を構成する民意がどこに向かっているのか、それを肯定的に対象化することである。なぜならば、この社会は民意、つまり人々の共認によって統合され、その意識=共認内容が変化してゆくことによってはじめて現実=社会が変わってゆくからである。
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List    投稿者 staff | 2010-07-26 | Posted in 11.世論形成の場、ネットの可能性2 Comments » 

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