2010年03月24日

市場構造を直視できず、バブル(と崩壊)を深刻化させた大蔵・日銀官僚

「幕末の志士亡き後、戦前の試験エリートは失策に失策を重ねた」でも取り上げたように、大蔵・日銀の金融・経済政策は戦前から失敗続きだった。
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『経済コラムマガジン』「金融政策の失敗の歴史」

筆者が「日銀の独立性」に懐疑的である一番目の理由は、これまであまりにも日銀が金融政策で間違ったことをやり過ぎていることである。筆者が思い当たるだけで「列島改造時代の過剰流動性」「バブル期の金融引締めの遅れ」「バブル崩壊後の金融緩和の遅れ」「ゼロ金利解除」などがある。
しかし人々は取上げないが、他にもおかしな金融政策がある。79年の金融引締めである。第二次オイルショック後、これに過剰反応して日銀は金利を引上げた。その後の財政再建運動と相まって、日本は外需依存型経済にどんどん傾斜していった。これらの政府・日銀の政策が日本のデフレ経済を深刻化させ、ついにはプラザ合意による超円高、そしてバブル経済とバブル崩壊へと繋がった。
このように日銀の金融政策の歴史は、失敗の歴史である。戦前でも日銀総裁であった井上準之介が大蔵大臣になり、金解禁を強引に行い、昭和恐慌を招いている。

大蔵省・日銀の失策といえば、その代表格は’80年代バブルとその崩壊である。
『「バブルの責任」と「三洋証券倒産」の歴史的考察』からの引用。

バブルの発生と崩壊
バブル発生の大元の原因となったのは1985年9月のプラザ合意である。これは当時強すぎたドルの水準を是正しようとの事でニューヨークのプラザホテルに集まったG5の会合でドル高修正への為替市場協調介入強化で合意したことである。この時の日本側出席者は竹下蔵相と澄田日銀総裁であった。これを契機として当時240円したドルはドル安へ、円は円高へと向かうのである。
86年1月30日に日銀は公定歩合を5%から4.5%へ引き下げた。理由は円高により景況感が悪化した為その対策である。しかし結果的にここからの日銀の金融政策こそ、バブル発生の源泉と言ってよいものである。日銀は3月10日に4.0%、4月21日には3.5%とわずか3か月余りで3回も公定歩合を引き下げたのである。これにより金余り現象を創出し、86年8月20日には、当時の日経平均の最高値1万8936円を付けるのである。
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同時にバブルを煽ることとなったものは当時の中曽根首相による民活・内需拡大政策である。国鉄民営化・電電公社をNTTへと転換したのが民活の柱であったが、円高による景気底割れを回避して内需拡大の国際公約を実現しようと同首相は動いた。86年10月にはNTT株の売出し価格119万7000円を決定したが、当初30~40万円くらいが妥当かと言われていた事を考えると不当に高い価格設定であった。これが株式ブームに火を付け、OLまで参加するという財テクブームを招くのである。
ここの背景にあったものは、NTT株の収入で財政赤字を少しでも減らしたいとする大蔵省理財局の意向であった。しかしバブル崩壊後の不況の中、約650兆円と言う巨額の国家・地方の長期債務を抱えた今にして思えば、この時の先見性の無い大蔵省の判断は失政を越えて、殆ど犯罪的行為だったと今では見られても仕方のないものである。目先の利益は見えても、長期的視野で物事を考えることの出来ない、ビジョン無き官僚たちによる国家的失策であった。
87年10月19日ニューヨーク市場が508ドル暴落するというブラックマンデーが発生した。この時の事後対策がバブルの助長に拍車を掛けた。皮肉にもこの日は中曽根首相が竹下登氏を後継に指名した日であった。本来それまでの株式相場の過熱や地価高騰を考慮し金融引締めに動くべき日銀が、このブラックマンデーに金縛りにされてしまったのである。
つまり、一方で内需拡大という国際公約のある中、「世界恐慌の引き金を引くわけにはいかない」ということで利上げのタイミングを見失ってしまった。結局89年5月31日に3.25%へと利上げするまでの間、当時の最低水準だった公定歩合2.5%を維持し続けたのである。宮沢蔵相・澄田日銀総裁という組合せで行なわれた言い訳無用の失政である。
この低水準の金利による金余り現象が株価そして地価の高騰に拍車を掛けた。ところが一般の物価は余り上がることが無かった。このことが金融当局者の判断を更に誤らせることになった。特に問題で有ったのは日本という土地本位主義の国でもたらす土地高騰の意味を金融当局者が理解していなかった事である。不動産が高騰し担保価値が増えたので借金を増やす。新たに手に入れた資金でまた土地を買うことで更に土地高騰が続く。所謂地上げ的行為であるが、こうしたネズミ講的手法が何時までも続かないことは子供でも判る。しかし現実には金融政策担当者はこの事の意味を十分に理解することなく、本来行なうべきマクロ的経済対策は行なわなかった。
東証の日経平均株価は89年末の大納会で最高値3万8915円を付けた。地価については90年に入ってもまだ上昇を続け90年4月1日に大蔵省による総量規制が導入された。公定歩合は89年12月25日に3.75%から4.25%、90年3月20日に4.25%から5.25%、90年8月30日には5.25%から6.0%へと矢継ぎ早に上げられた。この90年8月には景気は戦後最長のいざなぎ景気に並ぶのでは議論されていたが、議論すべきは発生させたバブルをソフトランディングさせずに崩壊させた時の経済に及ぼす影響の度合いであった。しかし金融政策者にそうしたマクロ的視野は全く無かったのである。
バブルの崩壊については当時の日銀三重野総裁が主役であった。彼はネズミ講的に築かれた土地価格を反転急落させた時に、それが日本経済全体にどういう効果をもたらすのか理解出来ていなかったのであろう。それどころか平成の鬼平として高騰した土地の価格を下げてバブル潰しをすることが日本経済にとって良いことであり、自分の評価を高めるものと勘違いをしていたのである。本来望まれていたのは経済の軟着陸が可能な土地価格の下落であり、金融不況に陥らせるトリガーとなるような土地価格の下落ではなかったはずである。しかし彼の政策は結果的に日本の90年代を台無しにし、21世紀の展望すら見通せない状況に陥れてしまったのである

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画像はこちらからお借りしました。
「ジャーナリスト同盟」通信~本澤二郎の「日本の風景」(353)によると、この官僚たちの金融経済政策の失敗→バブル崩壊によって実に1500兆円もの日本の資産が消滅したという。
’80年代、バブル当時の大蔵・日銀官僚たちは、株式相場の過熱や地価高騰を抑制すべく金融引締めに動くべき局面で矢継ぎ早に金融を緩和したことでバブルを過熱させ、逆に株式や地価の急落を抑制すべき局面で金融を矢継ぎ早に金融を引き締めたことで、バブルの崩壊をより激烈なものにしてしまったということ。つまり、本来やるべき政策の逆をやったために、事態を一層深刻化させたのだ。
彼らがそういう判断を下した根拠として、一般の物価が上下していなかったことが考えられる。例えば、株式や地価の高騰局面では「一般物価は上昇していないから利下げをしてもインフレにはならない」ことを正当化の理屈にして、金融を緩和するしバブルを引き起こしたのではないだろうか。言い換えれば、大蔵・日銀官僚たちは、物価が上がらないのに株式や地価が上昇するのはなぜか?その市場構造が全く理解できていなかったのだと考えるしかない。
豊かさが実現された’70年以降、市場は縮小過程に入った。現在の市場は、国家による資金注入という輸血装置によって生き延びている人工市場なのであって、決して自然な需要と供給に委ねられた自由市場なのではない。従って、当然、大きな歪みが発生してくる。物的需要が飽和している所に、巨額なマネーを流し込んでも、市場は余分なマネーでジャブジャブになるだけである。しかし、いくらマネーでジャブジャブになっても、常に供給過剰・需要不足なのでインフレにはならない(=余分なマネーが吸収されない)。そこで、必然的に余分なマネーは土地や株式etc供給に限界のある投機商品に流れ込み、投機商品のハイパーインフレ=バブルを生み出す。
大蔵・日銀官僚たちが「市場が縮小過程に入った」「自由市場など幻想で、現実には国家に支えられた市場しか存在しない」といった現実を直視できなかったことが、彼らがバブルとその崩壊を深刻化させた根本原因ではないだろうか。そして、そのことを全く指摘しなかったマスコミも経済学者も同罪であることは言うまでもない。
(本郷猛)
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List    投稿者 hongou | 2010-03-24 | Posted in 04.日本の政治構造3 Comments » 

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コメント3件

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