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2010年02月12日

中国-ASEAN自由貿易地域始動 人民元が第3の基軸通貨となる

日本の主要メディアでは全く報道されないが、2010年から中国・ASEAN自由貿易地域(CAFTA)が始動した。中国とASEAN地域の関税を撤廃→自由貿易圏を確立するという試みだ。

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※人口19億、貿易額4.5兆ドルのCAFTAは今まで発展途上国の間に構築された最大の自由貿易地域であり、北米自由貿易協定(NAFTA)とEUに次ぐ世界で3番目の自由貿易地域でもある。


47news

中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の自由貿易協定(FTA)が1日、本格的に発効した。両国・地域間で貿易される品目の大半について関税が撤廃され、人口規模で世界最大の約19億人の自由貿易圏が生まれた。

■中国経済は、どうなる?


中国・ASEANでの関税がほぼ撤廃されるため、今以上に中国・ASEAN域内の貿易は活発化する。(ASEAN→中国の関税は、12.8%から0.6%へ。中国→ASEANの関税は、9.8%から0.1%へ。)


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北米自由貿易協定(NAFTA)や欧州連合(EU)がそうであるように、製造過程の分業化が進むことになる。大きくは、CAFTA地域内での、原材料の加工と製造とが分業体制となる。


誤解されることも多いが、中国は既に主要貿易相手国をアメリカ・北米からEUへと切り替え始めている。中国を中心としたCAFTA内での安い製品がEUに輸出されるようになる。CAFTA地域内での貿易も活発化するから、GDPは右肩上がりを続けることになる。


■日本はどうする?


ヤスの備忘録でも考察されている通り、日本がこのCAFTAへの加盟しないという選択はない。いずれ加盟せざるを得なくなる。るいネット るいネット


域内関税が撤廃されているため、日本が優位性を持つ自動車のような輸出産業は大きく潤うことになり、アジア地域への輸出が活発化する。労働力が安価なアジア地域に生産拠点を移転する動きも進むだろう。


一方で、安いアジア製品が日本に大量に輸入されることになるため、国内型産業は苦境に立たされる。国内向け製品を作っている製造業は立ち行かなくなり、倒産が相次ぐだろう。失業率も高止まりするが、安い賃金ながらも仕事があり物価も安いアジア地域へと移民することも選択肢のうちに入ってくる。


日本経済が二極化するとも言えるが、労働賃金の高い日本においては生産拠点・労働力その他がアジア地域への流出し、国内産業が徐々に空洞化することになる。


■アジア利権を引き剥がす中国


サーチナニュース
 
一昔前まで「日本のODAが国を動かしている」とまで囁かれたインドネシアでは、今年は必要な鉄鋼の5割以上を中国から輸入する予定だ。シンガポールとマレーシアも、今年最大の貿易相手国は中国となる見込みだ。中国はまさにオセロゲームのように、「ASEAN利権」を日本から、一つひとつ引っ繰り返している構図なのだ。


■「人民元基軸通貨」構想


サーチナニュース 

 さらに中国は、ASEAN市場で遠望を抱いている。それは、「人民元国際化構想」である。前世紀に日本が成し得なかった「円をアジア共通通貨に」という野望を、今世紀に中国が実現しようというのだ。中国はすでに、計100億ドルに上る「中国ASEAN投資協力基金」を準備しており、今後はASEAN諸国との貿易決済に関して、ドルを介在させない人民元決済の拡大を図っていく。もちろん、台湾・香港・マカオも、「人民元経済圏」に呑み込もうという算段だ。

るいネット

 域内貿易の決済通貨はしばらくはこれまで通りドルが使用されるが、将来的には元に変更され、現在のドルをベースにした基軸通貨体制とは異なる元決済圏が誕生する見込みとなった。
 すでに、決済通貨の将来的な変更を見込んで、中国政府は雲南省と広西荘族自治区にASEAN諸国との貿易の決済通貨に元を使用することを許可し、またマレーシアとインドネシアとの間でそれぞれ800億ドルと1000億ドル相当の、中央銀行間で自国通貨を相互に預けあうスワップ協定を締結した。

☆これは、中国を中心とするアジア経済圏から、「ドルを締め出そうとしている」ことを意味する。
アジア経済圏において、円を決済通貨(基軸通貨)とするか、人民元を決済通貨とするかは、長い間議論されてきたが、CAFTA締結により人民元が決済通貨となる可能性が一気に高まった。


そして、「人民元を決済通貨とする地域」が現実味を帯びてきたことで、ドル下落圧力が今まで以上に強まることになる。中国は、アメリカがしきりに要求している「人民元切り上げ」実施に踏み切る可能性がある。しかし、「アメリカの経済復興はもはやありえない」と中国がアメリカを見限り、主要な輸出先をアメリカからEU、引いてはアジアに向けていくならば、ドルに対する「人民元切り上げ」は、中国への打撃よりも、ドルの一層の暴落を加速することになる。現状のドルー人民元のペッグでは、「ドルが人民元を支えている」のではなく「人民元がドルを支えている」からだ。


こうして、ドル、ユーロに続き、人民元が第3基軸通貨として認められ始める。アメリカがそうであったように、自国通貨が基軸通貨となれば、輸入においては通貨を刷ればいいだけなので、ほぼ無制限に輸入することが可能となる。つまり、「アメリカがコケれば、中国もコケる」と言われてきた中国の内需への期待が、俄然高まってくるのだ。

(ないとう)

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