2010年01月26日

特権階級はいかに無能か?⇒闘いとはどういうものかが、全くわかっていない

「11/29なんでや劇場レポート(3)私権制度・騙し観念はいかにして突破されるのか?」では、次のように提起されている。

秩序崩壊という点で最も危険なのは、社会を統合する役割を担う特権階級の暴走。
暴走する階級を見て、大衆意識はどう変わるのか?
問題は、統合階級の無能視が大衆的に普遍化するかどうか? これがリトマス試験紙となる。
無能視が普遍化すれば、大衆は「自分たちが何とかしなければ」と意識転換する。

最近の検察の暴走については様々なブログで語られているが、ここでは「特権階級はどれだけ無能なのか?」という観点で、具体事例の発掘と構造化を進めてゆきたい。

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特権階級の無能さは、今に始まったものではなく、戦前にまで遡る。その代表が太平洋戦争時の軍部中枢である。
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画像はこちらからお借りしました。
「海軍の無能と無責任さが太平洋戦争に突入させ そして完敗した日本」から引用。

開戦直前の御前会議(1941/9/6)で海軍、永野修身軍令部長は「海上輸送は日本の生命線でありますので、その保護には力を尽くすが損害もある程度あるでしょう。」 更に、昭和天皇に対し、11月8日真珠湾攻撃を含めた御前兵棋演習の趣旨説明が行われたが、その中で長期持久戦となった場合でも「海上交通線の保護は可能」と上奏している。更に空々しくも『もし敵が潜水艦多数を建造しても潜水艦根拠地が著しく遠距離となる関係で建造潜水艦の四分の一程度も作戦海域に派遣できなと思いますから交通線の保護は可能です。』 そして、『またドイツと緊密に連絡し有効な通商破壊戦を実施致します。』と続けている。
* これほどの嘘八百を陳べられたものと呆れ果てる。 これに昭和天皇も欺されたのたからお目出度い限りである。 すでに彼らは、どのような言葉を並べたら天皇が了解するか落としどころの壺を心得ていた。
その海軍は商船隊を守る力量とそのつもりは全く無かった。海防艦四隻でどのように保護を目論んだのか?
ImperialFleet(帝国海軍)は駆逐艦での対潜攻撃研究と訓練さえしていなかった。明けても暮れても魚雷による艦隊決戦訓練を行った。米国との戦争を無計画的に歩みはじめるこの御前会議や兵棋演習で、一歩進めて東南アジアから日本までの輸送線防衛、及び商船隊など、また海軍が保有している海防艦等の具体的数字をなぜ詰めなかったのであろうか。単純な天皇もお目出度いが、補弼者の経営感覚のなさに呆れてものが言えない。日本海軍に護衛専門の艦艇は開戦時一隻もなかった。北洋漁業の保護のために四隻の海防艦を持っていたのみであった。
五隻目の海防艦が竣工したのが1943年三月末という呑気さであった。船舶の損失が見込みの戦前予想の四倍となりあわててその組織作りが始まった。1943年9月の大本営政府連絡会議で海軍護衛司令部を発足させ、シーレーン確保に乗り出し、商船改造の護衛空母4隻(雲鷹、海鷹、大鷹、神鷹)と931空佐伯:48機)が配備・新設されたが、商船船団との連携運用がうまくいかず、空母4隻のうち3隻は初出撃で米国潜水艦の雷撃を受け沈没。一方海防艦の建造も急がれたが、最高速度が17ノット程度であり、浮上航走する米潜水艦(20Kt程度)に逃げ切られてしまった。ところが、肝心の索敵兵器である水中探信儀(聴音機も)は規格の合わない真空管や部品を組合せたものであり、性能は著しく悪かった。よって索敵は人間の目と勘が主力索敵兵器だった。帝国海軍は戦争を昼間しか行わないのでレーダーは必要なかった。対する米国は全天候24時間戦える兵器を開発し戦った。

戦前の軍部とは、参謀本部、軍令部などの作戦部、陸軍省・海軍省の軍務局など、軍の政策や戦略を司る中枢部であり、エリート中のエリート集団である。
どんな闘いであれ「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」が常識である。最も重要な闘いは情報戦である。ところが、戦前の超エリート集団である日本軍部の中枢は、自国の保有戦力さえ正確に把握していなかったのだ。あるいは、兵站(作戦に必要な物資の補給や整備・連絡)の優劣が戦局を左右し、それを軽視して勝った軍隊は無いと言っても過言ではない。それくらい決定的な要素である兵站が完全に無視されていたわけである。
ここから驚くべき疑問が浮かび上がる。
戦争のプロであるはずの軍部中枢のエリートたちは、実は「闘いとはどういうものなのか?(勝つためには何が必要なのか?)」が全くわかっていなかったのではないか?
この問題は、旧軍部のエリートだけに止まらない。1980年代のバブル期においても、特権階級たちは、素人でも分かるバブルを放置し、挙句の果てにバブルを崩壊させたばかりでなく、その渦中の株式戦争では日本勢は百戦百敗し、巨額の利益を外資に持っていかれたのである。『るいネット』「勝ち組ほど、阿呆になる時代」
考えてみれば、太平洋戦争時の軍部中枢も現在の特権階級も、試験制度の勝者である。
そして、試験問題を解くのと、現実の闘いでは決定的な違いがある。
試験問題では予め答えは用意されている。そして、それは不動あるいは所与のものである。そして、それを解くのは自分一人である。それに対して、現実の闘いでは常に相手がいる。敵は動きまくるので、敵の動きを読み取るためにまず情報戦に勝たなければならない。しかも、自分一人では勝てないのが現実の闘いである。自軍の戦力や士気を維持するためにどうするかが決定的に重要である。だから兵站が重要なのだ。
つまり、試験制度では自己中でも勝てるが、対象性がなければ絶対に勝てないのが現実の闘いである。
このように、特権階級の無能さの焦点の一つは、「闘いとはどういうものか?」全くわかっていない⇒対象性の欠落という点にあるのではないだろうか。
いつも応援ありがとうございます。
(本郷猛)
るいネット
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List    投稿者 hongou | 2010-01-26 | Posted in 12.現代意識潮流4 Comments » 

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コメント4件

 晴耕雨読 | 2010.09.02 23:01

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小沢一郎「官僚丸投げの行政を、国民の手に取り戻す」「心ある官僚もいる。政治家がきちんとした方針を出せば必ずついてくる」投稿者 クルテクと森の仲間たち 日時…

 くま | 2010.09.03 13:02

はじめまして。
板垣さんのブログ、トラックバックから飛んできて拝見し、なんと新鮮な史観をお持ちなのかと驚愕しました。
従前の在り来たりのカビが生えているような史観とは一線を画するもので、目から鱗が剥がれ落ちたような気がしています。
続編を期待して拝見させて戴きます。

 member | 2010.09.03 15:32

くま様、ありがとうございます。
観念のための観念としての史観ではなく、物事を実現する、あるいは社会を本当に変えてゆくための史観、一言で言えば実現史観ということになりますが、そのような思考スタンスを心がけております。
次回は、おそらくは来週の半ばになるかと思いますが、近代、支配層(特権階級)と大衆の共認がどうなっていったのかを明らかにしてゆきます。
楽しみにお待ち下さい。

 apricot hermes handbags | 2014.02.02 2:47

hermes bags edinburgh 日本を守るのに右も左もない | 特権階級の世界と大衆共認の世界を繋いでいたもの(1)~武力支配時代の秩序期待

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