2009年11月12日
国家財政を金貸しから国民の手に取り戻すために~一般取引税の検討

現状の税制では大企業や大銀行は手厚く優遇されている。
例えば、トヨタは消費税を納付していないばかりか、下請が納めた巨額の消費税を還付金として受け取っている。メガバンクに至ってはこの10年間法人税を納めていないとのことである。
『路上で世直し なんで屋【関西】』2009年10月23日の記事「特権階級の横暴を許すな!4 ~大企業の優遇政策について~」
おそらくは、メガバンクや大企業から税をとらず儲けさせる見返りに、国債を買ってもらうという仕組みなのだろう。そして国家は、メガバンクや国債を大量保有する大企業に対して多額の利払いを続けており、それが税収の過半が費やされている。つまり、金貸しやその支配下にある大企業は納めるべき税を納めず、その分の歳入不足を国家に貸付け、その利払いを得るという構造になっていると考えられる。
今や国家財政は金貸しを儲けさせるためにあると言っても過言ではない。このように国家財政は金貸しに完全支配され(喰い物にされ)、金貸しや大企業に都合良く制度が作られているのだ(その分、中小企業や庶民には重税が課せられているということ)。
国家を金貸し支配から国民の手に取り戻すためには、国債(金貸しからの借金)に依存しない財政基盤を確立することが不可欠である。そのためにどうするか?
ブログ『静かなる革命2009』で提唱されている「一般取引税」は注目に値する。
いつも応援ありがとうございます。
2009年10月20日「静かなる革命パンフレット【第一弾】税制を変えれば政治が変わる:一般取引税を導入して夢のジパングへ」からの引用。
《 要約 》 全銀ネット上のトランザクション(電子的決済)2500兆円に税率3%の一般取引税(電子的実取引税)を課することにより75兆円の歳入を得ることができる(2008年の税収実績44兆円のプラス2/3倍).徴税課目(税目)を電子的実取引税に一本化することにより,既存国税のすべてを廃止することができる.すなわち,消費税,所得税,法人税,相続税その他もろもろを全廃できる!電子的実取引税は限りなく公正で経済に透明,中立,徴税コストゼロ,脱税ゼロ,政治的特別配慮・特例措置ゼロの超クリーンな税制であり,正常な実物経済の上に構築される超安定なシステムである.
この徴税システムを「実取引税」と呼ぶのは課税ベースがほぼ完全に「実物経済(実体経済)」の領域と重なると考えられるからである.我々の「実物経済」は「健全な政府」を支えるのに十分である(それ以外の何を持って支えるというのか?).「実取引税」はこの「健全な政府」が国民に提供する「公共サービス」の原資であり,「実物経済」はそれをくびきとしてではなく共助共生の重くない責務として軽々と担うことができるだろう.
2009年9月9日「【第3回】税率2%の一般取引税の導入で消費税・所得税・法人税などすべての国税を直ちに廃止できる!」
一般取引税(ジェネラル・トランザクション・タックス)は商取引(ここでは一般的な「通貨の移転」の意味に拡張して用いる)の決済の時点で決済にかかる金額に一定の税率をかけて徴収する課税方式である.内国為替取引(全銀ネット,国内の全金融機関を結ぶオンライン決済システム上のトランザクション)に適用したものが我々の提案する「電子的実取引税(エレクトロニック・リアル・トランザクション・タックス)」である.電子的実取引税の実施形態にはいくつかのバージョンが考えられる.1.税率:0.5%,徴税額10兆円 現行消費税を廃止することができる.
2.税率:1.0%,徴税額20兆円 現行消費税を廃止した上で10兆円の追加財源が得られる.
3.税率:3.0%,徴税額60兆円 既存国税を全廃した上で20兆円の追加財源が得られる.
4.税率:5.0%,徴税額100兆円 国と地方自治体のすべての租税を廃止することができる.日本のGDPを500兆円とすると,国民の税負担の適性規模は100兆円(20%)が限度だろう(国民一人当り100万円の租税負担).2010年度の総予算(特別会計を含む)は200兆円を越す見込みだが,なんとそのうちの160兆円は国債関連支出である(利払い22兆円,新規・借換債137兆円).税収の半分!が利払いに消えてしまう.これでは国民がどんなに勤勉に働いても追いつかない(国民一人当り200万円の租税負担).
「国家(一般には一致しないがここでは国民を意味している)」が永遠に完済の見込みのない負債を負い続けることは金融グローバリズムの世界においては「宿命」である.国家は破産しない.ただ利払いを続けるのみ・・・一体どこの誰にそのような大金を払い続けるているのか?
消費税は税率1%に対し約2兆円の税収実績があるので,逆算すると課税ベースは200兆円.家計部門の消費支出を300兆円として捕捉率は65%程度と推定される.実取引税の課税ベースは国民消費の7倍程度の規模があり,捕捉率はつねに100%である.一般取引税は製品が最終消費者の手に渡るまでには多段階でかかってくるが,
利益率=1-(仕入原価+経費)/販売価格-一般取引税率
であるから,生産・流通のどの段階でも一般取引税率の実効負荷は変わらない.つまり,どの産業・業種に対しても平準で経済に対し透明・中立な税制である.ただし,現金取引を行う小売業者,一次生産者などは非課税となるので,零細事業者には多少の福音となるだろう.「電子的実取引税単一税制」はギャンブラーとその出資者たちから税を徴収することを予定していない.その代わり,彼らが破産したときにも国庫からはびた一文の救済資金も支出してはならない,とする.これは「電子的実取引税では一切の例外を認めない(ゼロ・トレランス)」という原則の一部である.もともとあぶくであったのだから,あぶくが消えたからと言って何の不都合もない.誰にも迷惑がかからないように「仲間たち」で清算し,手打ちすればよいというだけの話だ.これらの危険極まりない強欲な人たちとは用心深く付き合わなくてはならない.国民的決済システムとしての郵貯システムの持つ意義はこれからますます高まってゆくことだろう.
【1】この試算によれば、国家の税収は現状40兆円である。全銀ネット上のトランザクション(電子的決済)に5%の税率の一般取引税(電子的実取引税)を課すれば税収100兆円となり、既存国税を全廃した上で60兆円の追加財源を得ることができる。国債の利払い22兆円はこれまで通り払い続けるとしても残りは78兆円。現状の税収40兆円に加えて38兆円の追加財源を得ることができる。これは現在の国債発行額にほぼ相当し、それだけで新規国債発行額をゼロにすることが可能である。
そして、この一般取引税は、これまで手厚く優遇されてきた大企業から取るべき税金を取るという極めて真っ当な論理である。これによって国家財政が国債依存(金貸し依存)から脱することができるのなら、言うことはない。国家を金貸し支配から国民の手に取り戻すために、検討する価値がある提起である。
【2】「一般取引税は税額が価格転嫁され消費者の負担が増える」という批判が予想されるが、現在は節約志向が進み、物的需要は縮小しつつある。仮に価格転嫁されたとしても、それは節約志向を加速し、物的需要をますます縮小させる。その需要の縮小分、類的供給を喚起することができれば、物的生産から類的生産への転換を促進することができる。(実際、市場縮小下では物的生産品の価格競争は激化する一方なので簡単には価格転嫁できない可能性もある。むしろ現状の多重な流通過程の削減という方向に向かうのではないか) 但し、一般取引税だけでは物的需要の縮小と流通過程の削減にしかならない。類的生産への転換を促進するためには、類的供給の喚起政策とセットでなければならない。
注)類的生産においては、供給の喚起が先行する。供給者が増えれば需要は自ずと生起する。需要の喚起が先行する物的生産と逆の構造。従って、類的供給を喚起する政策が実行されれば、一般取引税は類的生産の拡大の障害にはならない。「共同体社会の実現政策」参照。
【3】ブログ『静かなる革命2009』の提起「金貸しには課税しないが、救済もしない」という点も議論が分かれる所だろう。この趣旨は国家財政は金貸しと投機市場から完全に縁を切って、実体経済だけに立脚した財政を確立するということだと考えられる。但し、これだけでは国家が金貸しから本当に独立したとは言えない。金貸しに課税しないのであれば、その代わりに紙幣発行権を金貸し(中央銀行)から国家の手に取り戻すことが絶対不可欠である。それによって真に国家は金貸しと縁を切ることができる。
さらに「銀行が潰れたら国民の預金はどうなる?」という疑問や批判が予想される。銀行を救済しない場合は、国民の預金の受け皿として郵便貯金の拡充が必要になる。当然、郵便貯金は保護対象であるから、大多数の国民は郵貯にシフトするであろう。これは金貸し支配を崩壊させる決定打となる可能性を秘めている。そして、銀行から郵貯への預金シフトによって、金貸しではなく、国民が国家に金を貸す仕組みが完成する。
まとめると、
ブログ『静かなる革命2009』の提起を有効に機能させるには3つの政策とセットにする必要がある。
①類的供給の喚起
②国家紙幣への転換
③郵貯への国民の預金シフト→国民が国家に金を貸す仕組み
(本郷猛)
- by hongou at 01:36



コメント
ご紹介ありがとうございます.
いろいろなところで引用して頂いていますが,本格的に論評して頂いたのは始めてです.基本的な考え方・方向性についてはおおむね互いに完全一致しているように思われます.この「パンフ」は「第一弾」を銘打っていますが,続編を書きたいと思っています.とは言えしばらくはまたかなり長期の空白期が続きそうですが・・・
ご指摘の,①類的供給の喚起,②国家紙幣への転換,③郵貯への国民の預金シフトの3点はこちらでももっとも重視しているポイントで,書き継ぎたいと思っているテーマです.この構想(一般取引税)のベースには,「貨幣発行権は国家主権に帰属する」という考え方がありますから,「国際銀行トラスト」の利害と対立する要素を含みます.「金融取引非課税」という条件は彼らとの(「一般取引税制」という「夢の税制」を実現するための)交渉材料です.
政府貨幣発行論が一般にかなり浸透してきていますが,それを実現するための条件の一つは「一般取引税制」を確立することにあるとわたしは見ています.つまり,「一般取引税」は「政府貨幣」実現のための「必須の前提条件」です.「政府貨幣」が単なる紙切れ(軍札)にならないためには,ハイパーインフレを効果的に防止することができなくてはなりませんが,現行の中央銀行システム(の金融政策)では解決不能です.
レーガノミックスと日本の政界の関係について、大変以前から気になっていましたが、トップ記事を拝見しまして、大変勉強になりました。
1976年に日本全土を吹き荒れた「ロッキード旋風」にも石油メジャーの影があったと言われますが、今こそ再検証されるべきでしょう。
馬場英治さま、コメントありがとうございます。
こちらこそ引用させていただき、ありがとうございます。
最初、「金融取引非課税」を目にして、「なんで金貸しに課税しないの?」って思いましたが、これを馬場さんが提起される何らかの理由があるはずだと思って考えてみると、確かに拙稿に挙げた効用があることに思い至りました。
「金融取引非課税」にする代わりに、一般取引税、国家紙幣を認めさせる交渉材料とする。ここで重要なのは「金融機関は救済しない」という点だと思います。これが実現できれば、国民の貯金は大きく郵貯にシフトします。
①類的供給の喚起,②国家紙幣への転換,③郵貯への国民の預金シフトの3点については私どもも重視しているポイントです。
馬場さんの今後の追求を楽しみにするとともに、私ども追求を重ねてゆきます。共に次代を創るために頑張りましょう。
くまがわ直貴さま、コメントありがとうございます。
11月13日の記事「アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争~アメリカに食い尽くされる」の方に対するコメントですね。
このシリーズは9月下旬から開始しています。郵政民営化を差し戻すために、郵政民営化をはじめとするアメリカの日本支配がどのように進められてきたのか、再検証してみようとして始めたシリーズです。是非、9月下旬の第1回目の記事からご覧ください。
一般取引税を実施する上での関門は銀行家を説得することですが,金融取引非課税は送金手数料の無料化を担保とするものです.(両替商というビジネスはありますが)貨幣は本来的ないし原理的に流通コストゼロであるべきものです.現在のべら棒な送金手数料がどれほど経済循環のネックになっているかは想像に難くありません.送金手数料の無料化は一般取引税制を実現する上での必須の前提条件です.送金手数料は一般取引税ともろに競合する関係にありますが,これは一義的には国家の貨幣発行権の侵害に当たると言えます.電子マネーという蜘蛛の巣が現在急速な勢いで世界を覆いつつあります.あと数年のうちにこの(一般取引税の)方向に進むことができなければ,手遅れになるかもしれません.この意味でゆうちょシステムの国民的今日的意義は測り知れないものがあります.
これまでに他のブログ上で電子ブックやゲストのオーサリングを作成する方法について考えたことがありますか?私はあなたが話し合う同じ主題を中心にブログを持っており、いくつかの物語/情報を共有することを心よりお待ちしています。私は私の読者があなたの仕事をいただければ幸いです知っている。あなたがさらにリモートで興味があるなら、私に電子メールをお送りください。
偉大なサイトは、ここではあるが、この記事で説明したのと同じトピックをカバーする任意のフォーラムを知っていた場合、私は興味があった?私は本当に私は同じ興味を共有する他の有識者からのフィードバック得ることができるグループの一部になりたいです。あなたが何か提案がある場合は、私に知らせてください。あなたを祝福!