2009年08月03日

ヴェネツィア貴族の起源

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 王族、金貸し、貴族と資金の関係が深いとされるスイス金融業、プライベートバンクがあります。スイスの歴史をみてみると金融業と傭兵産業が盛んで、歴史的にはスイス金融国家は各方面の都市で富を得た貴族らが移住して集ったことで成立したことが起源とされています。
 その中心にヴェネツィアから移住してきた貴族らも居て、スイスでの金融業、傭兵産業の発達に関与してきたと考えられます。
 今回は、貴族らによる金融業の発達から、スイス金融業の発達の謎を紐解くうえで、ヴェネツィアにおける貴族階級の成立について、紹介します。
写真はこちらからお借りしました。
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「貴族階級の成立」より引用

・はじめに
ヴェネツィアは貴族政の国である。国政に参加しえたのは25歳以上の貴族のみで他の階級が参加することはなかった。他の二階級は権力から排除されていたが、政治への参加を要求する階級闘争を通じて権力を奪取しようとはしなかった。なぜなら、貴族支配体制のもと現出された社会的・経済的安定の恩恵を貴族と共に享受していた他の二階級、つまり市民と庶民は現状に満足せざるをえなかったからである。彼らは政治から排除された事を我慢さえすれば、現体制を覆す必要はなかったのである。それがゆえに、排他的な要素の強いヴェネツィアの貴族政が社会の安定を得るのに成功したのである。
・人民集会
しかし、ヴェネツィアが建国当初から貴族政を敷いていたわけではない。ましてや、貴族が排他的な政治階級として政治を独占する状況がヴェネツィア史のすべてでは無かった。ヴェネツィア共和国の初期の時代から13世紀末まで、有力市民の集会である人民集会が重要な役割を果たしていた。1172年まで元首は人民集会で選出され、共和国の最高機関として機能していたのである。しかし、何を議決するか予想がつかず、しばしば暴動に走る傾向があったためあまり招集されなくなり、1172年全ヴェネツィア貴族の議会として大評議会がつくられたのである。これ以降、元首は大評議会で選出され、人民集会は「ここに諸君の同意を得て、諸君の元首を紹介する」という決まり文句で紹介された元首を承認する機関にすぎなくなる。だが、大評議会での元首選出は法制化されたものではなかった。そのためか、1289年には人民集会がヤコポ・ティエポロという人物を元首に選出するという事件が起きる。大評議会がヤコポ・ティエポロも候補に加えた上で、選んだのはピエトロ・グラデニーゴであった。互いに元首候補をかかげ、人民集会と大評議会の対立へと発展しかねないこの事件はヤコポ・ティエポロが自主的にイタリア本土のトレヴィーゾに蟄居することで事無きをえる。その八年後に、元首ピエトロ・グラデニーゴを中心としたメンバーによってセッラータという大評議会の改革が敢行されるのである。この改革により大評議会は強化され、人民集会はほとんど実権の無い名目的な存在となったまま1423年に廃止されることとなる。
・13世紀末までの貴族
13世紀末までヴェネツィアには貴族階級はいなかった。確かに、個々の貴族の家柄というものはあったし、大評議会の設置以降はそこを拠点に政治の世界貴族政蟄居で活躍する貴族はいたであろう。しかし、集団としての力を振るい排他的特権を有した支配階級として君臨する貴族階級は存在しなかったのである。たとえ、元首であれ他の高官であれ特権を認められていたのは在職中だけであった。それゆえに、特権階級としての貴族階級が形成されることはなかったのである。
・セッラータ
しかし、1297年に始まるセッラータと呼ばれる大評議会の改革により状況は一変する。セッラータ、それはserrare「閉ざす」という言葉からきている。しかし、それは大評議会を閉鎖するという意味ではなく、大評議会のメンバーを固定し外に向かって閉ざすという意味を持っていた。それは1297年に大評議会を通過した法律から始まる。大評議会に席を置く現議員は全員、さらに4年前にさかのぼってその間議席を持っていたもので、「四十人委員会」の十二票を獲得できたものは、終身任期の議員とする。これがその法律の内容である。同時に、この法律は過去四年間たまたま議員でなかった人のために、翌年の議会を用意していた。
・従来の見方
さきの法は大評議会を固定し、長期的には貴族階級を形成せしめ、貴族政へと至る大きな一歩であるのだが、セッラータが行われた時点での評価は定まってはいない。一般には、階級闘争というフィルターを通して、人民にたいする貴族寡頭政の勝利とみなされ、人民主権である人民集会に対する貴族政大評議会の優越をもたらしたものと考えられている。しかし、この見方ではセッラータの本質を見誤るおそれが強い。

引用終わり
大きな要点を見てみると、
元首を選出するためにヴェネツィア初期時代から、13世紀(1972年)まで行なわれてきた有力市民らによる人民集会から、暴動防止をきっかけに1172年に作られたヴェネツィア貴族議会によって、元首は大評議会で選出されるように変化した。
 
そして、大評議会で選ばれた元首によってセッラータという大評議会の改革が敢行されたことによって、大評議会は強化され、人民集会は廃止された。
このセッラータによって、大評議会を固定する法律が大評議会を通過し、貴族階級をせしめるきっかっけであったことがいえるだろう。
続きでは、セッラータの完成による貴族階級らによる政治体制について触れたいと思います。お楽しみに

List    投稿者 yamatetu | 2009-08-03 | Posted in 未分類 | 13 Comments » 

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コメント13件

 ガラス瓶に手紙を入れて | 2010.01.02 16:42

*〔しーたろう〕のお正月休み*

皆さまはお正月をいかがお過ごしでいらっしゃいますか?

 unimaro | 2010.01.03 0:55

お疲れ様です。
お邪魔いたします。
興味深い記事をありがとうございます。
ロッキードと似たような構図に見えるのは気のせいでしょうか。
吉田をどうにかしたかった、なにか、が、検察をそう動かした、と。
素人の私は検察がそうなったのは田中より少し前くらいからか?と思っていましたが、吉田時代にはもうアメリカが検察を駒としていたかもしれない、ということにも見えます。
自分的には「ほぼそうなのだろう」という見方になってきています。
根が深いようです。

 unimaro | 2010.01.03 16:16

ごめんなさい、
↑>ロッキードと似たような構図に見えるのは気のせいでしょうか
は、本文にありましたね
>※ロッキード事件はその典型
読み込まずに「ずげぇ!!」と思ったエントリには性急にコメントを書く癖があり、失礼しました。

 !うにまろ!日記 | 2010.01.03 17:12

検察は日本の裏の独裁者

歴代検事総長の天下り先を書いたエントリを見た。
http://ayarin.iza.ne.jp/blog/entry/739727/allcmt/#C14

 大和 | 2010.01.05 12:50

コ改革に取り組む鳩山内閣を応援すべきです。日本政府を牛耳ろうとする謀略工作に荷担するのは恥ずべきことです。首相と政権党幹事長への執拗な批判攻撃は、国益を損ない国民生活に危険です。時代錯誤した検察庁とメディアの病根には、メスを入れるべきです。
スキャンダルとして騒ぐべきは、文科省官僚の愚民化政策です。
 不登校、退学者20万人、精神疾患休職教員5400人。こんな学校に通えば、ひきこもり、ニート、失業者となり、4万人の自殺者が出るのは当然です。
教育現場から、愚民化教育のおぞましい実態を詳細に暴露したのが「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)です。破綻した教育の実態、世界の教育改革から逆行した改悪、時代錯誤した取り組みの異様な姿が赤裸々にされています。
この知識時代に愚民化教育を行い、若者を貧窮させ、犯罪に走らせ、国家衰退を作った文科省官僚の罪は、薬害エイズや薬害肝炎を起こした厚労省官僚を越える大罪です。
子供の不幸を見て見ぬふりをする堕落した日本人こそ、愚民化教育が作り出した愚民です。官僚は、愚民化政策を行った事実を認め、国民に謝罪すべきなのです。
メントを入力してください

 G線上のアリア | 2010.01.07 22:00

>unimaroさま
検察は戦前は絶大な権限を持っていましたが、戦後、占領軍はその権限を剥奪するつもりだったようです。
それを東京地検の幹部たちがGHQと交渉して、独自捜査権を残しています。憶測にはなりますが、捜査権の完全剥奪を免れる代わりに、GHQ(アメリカ)に何らかの便宜を図る約束をした可能性があります。
ロッキード事件は、造船疑獄で指揮権発動を封印したことによって実現可能となり、「悪徳政治家VS正義の検察」という印象操作も成立させた出来事だったのだと思います。

 G線上のアリア | 2010.01.07 22:07

>大和さま
現実の課題に対する突破口を見いださず、特権の行使と身分維持に執着する官僚の暴走は看過できませんね。
そのような官僚は無能(=みんなのことを考えて行動できない)存在でしかないことを国民が事実として認識し、自分たちで社会統合課題を担っていく時機にきているのだと思います。

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