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2009年01月21日

『国際金融機関はどうなる?』9.国際金融機関が設立される前夜: 金兌換紙幣(金本位制)の発生から、歪な「金・ドル体制」へ(1/2) 

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(画像は、「ジュエリースタジオ・イイジマ」さんより引用させていただきました)


近代以降の「お金」と「金融システム」の歴史の流れを、今回は、①大恐慌前後、②第二次大戦前夜まで見ていきます。

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1)~1929年の大恐慌前夜


◆1:金兌換のポンド基軸通貨体制

1694年、国際金融資本家(=金貸し)が国家から紙幣発行権を奪い世界初の「中央銀行(イングランド銀行)」を設立したイギリスは、金貸しに預けられている金財貨を裏づけにして大量のポンド紙幣を発行した。そしてそれをバネに「産業革命(1760年~)」を達成して、世界覇権国の地位を揺らぎないもとし、アジア・中東・アフリカなどを植民地化していく。

そして、世界中に輸出されたイギリス製品と植民地からの原材料をポンド建てとすることで世界のポンド需要が高まり、かつ植民地化政策のなかから南アフリカをはじめとして世界の金塊を収奪して金塊保有量を高め、その原資をもとにさらにイングランド銀行紙幣の金裏づけを強めた。

そして、1816年に「英国貨幣法」を制定して「金本位制」が実施されたことで、ポンド紙幣の信用が世界的に共認され、1850年には『金本位制によるポンドの基軸通貨体制』が確立し、世界の経済がイギリスを中心に動いていった。


◆2:ヨーロッパにおいて「中央銀行-金本位制」の確立 →金貸しの世界市場支配

そして、ヨーロッパ各国もイギリスにならい、中央銀行設立による紙幣発行を行うようになり、『中央銀行→金本位制による紙幣発行』世界金融秩序の評価指標値・システムとして共認された。
そしてそれとともに、実質金を保持し中央銀行を支配する金貸しの、経済によるヨーロッパ(≒世界)支配が強力になっていく。


◆3:金本位制の崩壊 →管理統制経済体制へ

しかし、基軸通貨国となったイギリスは、20年ももたずに「国力以上に為替が通貨高になっていく基軸通貨国の必然構造」のなかで国内の産業が衰退し、財政赤字、貿易赤字を増大して国力を衰弱していく。
そしてさらに、1914年からの第一次世界大戦での多大な戦費調達の為、保有する金以上の紙幣発行で多大な借金を抱えることになり、他のヨーロッパの戦争参加国も金保有高で制限される金本位制度では戦費を賄えなくなり、イギリスを皮切りに各国が金本位制度から離脱し、管理統制経済体制に移行し金本位制が崩れていった


◆4:アメリカの金保有高上昇 →金本位制の復活

そして、第一次世界大戦(ヨーロッパ覇権戦争)により戦場となったイギリスの経済は決定的に没落し、代わってアメリカが台頭してくる。
アメリカはそれまでの農業生産国としての力に加え、第一次世界大戦による戦争需要を受けて世界一の工業大国そして経済大国としてのし上った。

アメリカは、金本位制が崩れた第一次大戦前の1914年末には僅かに2250トンの金を保有しているに過ぎなかったが、第一次世界大戦が終わった1918年末には4350トンに増加し、1930年頃にはさらに約6800トンにまで金保有量を増加させていた。
そして、金の保有量を急激に増大させたアメリカは、1919年に金本位制に復帰し、それに伴い各国も追随し、金本位制が復活する。

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2)大恐慌時


◆5:大恐慌 →金本位制の再度の崩壊 →保護主義経済へ

世界一の経済大国になったアメリカは、1920年代にはバブルが発生し、それによりヨーロッパに資本投資が増大していくことで、ヨーロッパ経済も第一次大戦から復興して経済成長を達成することができていた。
しかし、アメリカ市場の飽和から1929年代に大恐慌に陥ったことで、アメリカの株価急落から投資家がいっせいにヨーロッパから投資資金を引き揚げてしまい、ヨーロッパ経済は急速に資金繰りに窮し収縮状態に陥り、アメリカ経済以上の打撃を受ける。

そして、1929年の米国発大恐慌が発生したことで、世界の主要国は保護主義政策を取り始め、再び金本位制度が崩れ、1937年のフランスを最後に全ての国が金本位制から離脱した。 

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3)大恐慌後~第二次大戦前夜


◆6:ルーズベルトによる「ドルと金の交換保証のみを与えた(ドル)金本位制」 →再び管理統制経済体制へ

大恐慌によりアメリカも、経済の崩壊を怯えた国民が、資本を海外に移したり、金に換えたりして、アメリカから金の流出が急増した。
そのため1934年にルーズベルトは、金本位制は安泰と宣言し、ドル-金交換価格を吊り上げ固定し、大統領令により米国民のもつ全ての金を押収したうえで金本位制をとった。
しかし、この金本位制は、実質、ドルと金の兌換を許さず、保証を宣言するだけであった。その意味で、今までの金本位制ではなくドルに金の価値を持たせた「ドル・金本位制」に近い。
そして、ニューディール政策による管理統制経済体制へ移行し、旧来の金本位制から離脱した。

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コメント

紙幣って、「金の裏づけ」がないと共認されないって何となく思い込んでましたが、こうやって見ると、非常事態とかなんとか言えば、金の裏づけを失くすことも意外と簡単に(しょっちゅう)やってるんですね。

やっぱり、「共認さえ成立すれば」ってことなんですね。

  • しのぶ 2009年01月27日 17:09

しのぶさん、コメントありがとうございます。

そうなんですね。
社会を秩序化・統合するうえでの評価指標値としてみんなが共認すれば、「金の裏づけ」は関係ないんです。
だから問題は、どのように皆が納得する統合システム・評価指標をつくり、その共認域を広めることができるかということなんです。

  • kirin 2009年01月31日 22:55

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