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2008年11月06日

国家紙幣発行の実現性検証~中国の実態は?

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10月19日 なんでや劇場で展開されたように、金融危機から抜け出すには、銀行の国有化→金貸しへの規制強化と国家紙幣発行に向かうことが明らかになりつつあります。

国家紙幣の発行は実現可能なのか?を検証していく上で、一つの手懸りとして、「中国の元は実質国家紙幣なのではないか?」と言う提起がされています。

この点について、るいネットから2つの投稿を紹介したいと思います。
 
猛獣王Sさん 「中国の巨額外貨準備高と人民元の謎」
雪竹さん 「中国の人民元は国家紙幣では?」
 
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―以下、猛獣王Sさんの投稿からの引用―

『中国外貨準備高と人民元の謎』(新世紀のビッグブラザーへ blog 2008/6/26)リンクより転載します。 ----------------------------------------------------------------  ~前略~

【世界各国の外貨準備高ベスト20】
1 中国     $ 1,682,200 March 2008
2 日本     $ 1,003,384 April 2008
3 ロシア    $  490,700 February 2008
4 インド    $  301,235 February 2008
5 台湾     $  277,840 February 2008
6 大韓民国   $  262,400 February 2008
7 ブラジル   $  193,851 March 2008
8 シンガポール $  171,735 February 2008
9 香港     $  160,300 February 2008
10ドイツ    $  147,255 January 2008

ご覧頂いた通り、世界の外貨準備高は中国が1兆6822億ドルと世界トップになっています。これは別に中国の豊かさとか、金持ちぶりを示しているわけでは全然なく、単に中国当局が人民元高を避けるために、ひたすら為替介入を繰り返している事を表しています。ヤバ中でも書きましたが、人民元が安く押さえつけられた結果、中国一般国民の購買力は上がらず、消費も盛り上がらず、ある意味、中国の巨額外貨準備高は中国国民の貧しさを示しているとも言えます。

 ~中略~

さて、ここからが本題です。

中国が為替介入をする際に、人民元は果たしてどうやって入手するでしょうか。

普通の国(日本とか)は、専用の債券(日本の場合は政府短期証券)を財務省が発行し、調達した円で為替介入を行います。政府短期証券は財務省、つまり日本政府が発行する債券なので、要は国債みたいなものです。


〈中略〉
 

なぜ日本、韓国その他の国々が、通貨高防止用の為替介入の資金(自国通貨)を刷らないのかといえば、そんなことしたら市場に自国通貨が溢れ、通貨価値が下落する、つまりインフレーションになってしまうからです。幾ら韓国でも、無制限にウォンを刷ってドルを購入したりしません。

が、どうやら中国は本当に人民元を刷って、為替介入を行っている模様なのです。

中国の外貨準備高は毎年数千億ドル(数十兆円)という物凄い伸びを示していましたので、以前から不思議に思っていました。この金額の人民元を政府なり中央銀行なりが市場から調達し、為替介入を行っていたら、韓国の通貨安定証券(総額で20兆円くらい)以上に問題視されていなければおかしいはずです。日本の政府短期証券にしても、韓国の通貨安定証券にしても、要は政府、中央銀行の借金なわけですから。

ところが中国は、この膨大な為替介入用人民元を、どうやら市場ではなく輪転機から調達しているようなのです。中国の外貨準備が08/03時点で1兆6822億ドルということは、約170兆円分の人民元が市場に供給されたことになります。

この時点で、わたしは愕然としてしまいました。なぜならば、世界第二位の経済大国の通貨である日本円、つまり日銀券の平均残高が74兆円程度でしかないからです。

リンク「図表 日銀平均残高と買入国債の推移」参照

それでは中国の人民元の発行残高は、果たして幾らなのでしょうか。

実は中国は人民元発行残高を公表していません。しかし、柘植久慶氏が最新作「中国大崩壊」(ホームページのトップページで、ヤバ中と櫻井よしこさんの本に挟まれている本)で、100元紙幣の番号を地道に調べるという、ある意味天才的な手法で人民元発行残高を推測されています。

 ~中略~

しかもこれは人民元の最高額紙幣である100元紙幣だけで、他の50元、20元などの紙幣は含まれていないのです。少なくとも、中国の人民元発行残高は、確実に300兆円を超えていることになります。日本円の発行残高の、実に四倍以上!

これはインフレにならない方がおかしいでしょう。と言うか、下手をしたら近い将来、人民元は高騰するどころか、逆に暴落する可能性もあるのではないでしょうか。その上、中国の外貨準備(ドル)の方も、どうやら相当に怪しい使われ方をしているようです。

〈中略〉


 
 ―以上、引用終わり― 
 

 
 
―以下、雪竹さんの投稿からの引用―
 

中国政府の公式データが乏しいので、状況証拠から推測するしかないが、中国の人民元は国家紙幣である可能性が高い。

●中国の中央銀行制度
・中国の中央銀行は「中国人民銀行」。1948年の設立で北京にある。
・歴史的には、1949年の中華人民共和国樹立にともなう唯一の国家銀行であったことが出発点。社会主義計画経済の下では、すべての銀行が国有化され、中国人民銀行が中国の唯一の銀行(国家銀行)として中央銀行機能と市中銀行機能をあわせもっていた。
・1979年以降の経済改革のなかで次第に市中銀行機能が分離されてゆき、1995年の全国人民代表大会で制定された「中国人民銀行法」で、中央銀行機能に特化することが規定された。
・中国政府の国務院(最高の国家行政機関)の構成部門の一つ(総裁は閣僚ポストの一つ)である。日本銀行が政府から独立した認可法人であるのとは体制的に異なる。
・中央銀行として、通貨、金利政策を担当し、人民元の発行も行っている。

〈中略〉
 

●中国の不良債権処理方法
>国有商業銀行に対する不良債権対策として、公的資金の注入(2,700億元<=約 4兆円>、1998年)および不良債権の一部移管( 1兆4,000億元<=約21兆円>、1999年)が行われました。
>後者は、商業銀行法施行(1995年 7月)以前に実行された貸出で不良化したものを、各国有商業銀行ごとに設立された資産管理会社(AMC)に簿価で売却するもの
>AMCの資本金は財政が負担し、債権買取資金は中央銀行と国有商業銀行から調達していることを考えると、国有部門間での不良債権付替えに過ぎないとの見方もできます
リンク(※'02年の記事)

>中国政府は銀行の不良債権をセイニアリッジ(政府の貨幣発行特権)政策で処理しているのではないか
>中国政府は外貨準備(中国人民銀行が管理している)と「債券」を発行し中国人民銀行(中国の中央銀行)に引受させ、注入する公的資金を調達している。日経は「債券」とごまかすような表現をしているが、これは明らかに国債である。つまり中央銀行が国債を直接引受して、銀行の不良債権を処理する原資を捻出しているのである。
リンク(※'05年の記事)

●分析
表向きはほとんど公表されていないようだが、中国の国有商業銀行には大きな不良債権が発生している。(日本では不良債権は経済成長の足かせになるというのが常識であるが、そのような常識は中国では通用しない。中国は多額の不良債権が発生するくらい乱暴な融資を続けること(バブル化)によって、経済成長を続けてきたと見るべき。)

大規模な公共事業を行ない、軍事費を増大させてきた中国政府にそのような不良債権を処理するような余分な公的資金があるとは考え難い。正確なところは分っていないが、中国政府の財政は、大赤字ということは間違いない。('00年でGDP比2.9%、'07年で0.8%リンク

中国人民銀行は歴史的に政府(共産党一党独裁)直轄の管理下にあり、日米欧のような政府とは独立した組織ではない。(市場経済移行後も、国有銀行であることに変わりはないと思われる。むしろ中央銀行としての機能は強化されている。FRBのような金貸しが支配する民間銀行ではないことは明らか。)

以上のような分析から考えると、中国の不良債権は、国家紙幣によって処理されている可能性が高い。(おそらく、中国の外貨準備高も、国家紙幣によるドルの買取というスキムによって急速に膨らんでいる可能性が高いのではないか。)


 
 ―以上、引用終わり―
 
 
中国は巨額な外貨準備高をどのように作っていったのか、銀行の不良債権への巨額な公的資金注入の資金源はどこなのか。上記2つの投稿での巨額の数字から推察すると、経済活動の結果とは思えません。
 
中国人民銀行は中国政府と実質一体であり、金貸しの影響力を受けない構造となっていれば、表面的手法が先進国に倣った国債発行であっても、実態は国家紙幣を発行しているのと同じではないかと思われます。

中国の事例は、国家紙幣発行には、金貸しを完全に排除して中央銀行を国有化することが必要であることを示しているのでは、と思います。

コメント

多民族国家である中国では、決して真実を述べないらしい。
真実を述べてしまうと、内乱が起きてしまう。
国家は、内部統制にやっきになっている。

実態の見えない中国の真実が暴かれた時に、国内の情勢がどうなるのか?
今後の動向が非常に気になる国だ。


  • モンブラン 2008年11月06日 22:04

なるほどです。中国の外貨準備高の多さも頷けます。どうやら資本主義諸国とは全く違う思想で紙幣を発行しているように見受けます。まだまだ謎が多い国です。

銀行の国有化による金貸しの抑止という手法は、確かに良いヒントだと思いました。

  • 通りすがり 2008年11月06日 23:00

モンブランさん コメントありがとうございます。

確かに中国は真実を伝えない国、という印象が強いですね。

政府から独立した中央銀行の形はとっていても、実態は政府の一機関として動いているようです。
この実態が中国国内でどのように理解されているのか、知りたいところです。

  • sinkawa 2008年11月15日 19:40

通りすがりさん、コメントありがとうございます。

政府と独立した中央銀行制度が絶対ではなく、国家が直接紙幣を発行すること自体は可能だと思います。
国家紙幣発行が社会共認として成立するかどうかにかかっているのだと思います(中国は社会共認ではなく、国家独断)。
先進国ではそれを阻止してきたのが、金貸し勢力だったのではと思います。

  • sinkawa 2008年11月15日 19:50

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