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2008年03月22日

アメリカから与えられた宿題の答案を作る日本の官僚たち

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『るいネット』「勝ち組ほど、阿呆になる時代」という認識は重要だ。確かに日本の官僚のアホさ加減は目を覆うばかりである。ところが、単にアホというだけでは済まされないらしい。


『さらば財務省』(高橋洋一著 講談社)という本が出版され、『ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報』の3月22日の記事「高橋洋一『さらば財務省』の裏読み試論」にその書評が書かれている。アメリカとそのエージェント、および日本の官僚の関係を伺わせる記事である。

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私はこの「P-A理論」で重要なのは、往々にして、プリンシパルが情報の非対称性をエージェントに認識させず(=つまり、エージェントが、情報は対称的だと誤解するということ)に、欺いて、プリンシパルが合理的だと判断する政策アジェンダを実現させる際に利用することがある、という点だと思う。
アメリカ(あるいは欧米金融界)との関係では竹中平蔵は「プリンシパル・エージェント」の関係にある。(この点については本人は否定するだろうが、桜井充参議院議員の国会質問でのゼーリック書簡、ピーターソン国際経済研究所との関係を傍証としておきたい) ところが、高橋洋一氏との関係では、竹中平蔵は、プリンシパルの立場に立つのである。そのことに私が気が付いたのは、ところどころ、竹中平蔵が、高橋洋一氏を、誘導していることが高橋氏の記述によって、浮き彫りに為ってくるからである。例えば、郵政問題に関わる前、竹中平蔵が経済財政担当大臣に為ったときの会話。
【引用開始】竹中さんが、「高橋君は、アメリカで何を勉強してきたの」と私に問うので答えると、「こういうのに使えるのかな、使えるんだったら手伝ってよ」。こんな感じで、なんとなく竹中さんの仕事を手伝うことになったのだ。 最初は物価連動国債の導入など、単発の仕事の依頼だった。まさに手助けという感じである。竹中さんは不明点があると、私の職場によく電話をしてきた。最初の頃は、受話器をとった女子職員が「竹中です」という事を聞いて、「もしかして、あの竹中大臣ですか」と尋ねている。『さらば、財務省!』(講談社)p80【引用終わり】 

それ以外にも、竹中平蔵は高橋氏に対して、プリンストン大学(これが上の引用文にある留学先)にいた、今のFRB議長のバーナンキの最新論文を貸してあげたりと、ずいぶんと面倒見がいい。

そもそも竹中平蔵と高橋氏が知り合って、意気投合したのは、高橋氏が書いているように、互いに東大法学部に対する反発心があったからなのである。(p43)竹中平蔵は一橋大出身、高橋洋一氏は、東京大学だが理系の理学部数学科出身である。キャリア官僚のインナーサークルは、東大法学部だから、二人は「傍流」にいたわけである。しかも、この本を読んでいると感じられてきたのだが、高橋氏は理系がゆえに、政治的争いには無縁であるといしているが、そのために巧く派閥争い、省益争いに利用されていたようである。悪い言い方をすれば、「計算屋」である。だから、彼は、財投のリスク管理モデルを作るなどの、優秀な官僚でもあった。ただし、大きな制度設計はやっていないようだ。
さらにいえば、竹中平蔵の参謀として、郵政民営化準備室に配属されたときなど、幾つかの場面で、高橋氏がやっているのは、ある程度の「変数」「枠組み」を竹中サイドから与えられて、その「宿題」に万全な答案を計算して出しているのではないかと思える部分もあった。
アメリカのエリート政治経済学者に竹中平蔵が指導され、 その竹中平蔵が、数理学系の高橋氏をコントロールする という、みごとなほどの「P-A関係」が出来上がっているように私には見えたのである。

既に答えが決まっている問題をアメリカの財界とその代理人(ここでは竹中平蔵)から与えられ、その答案を書いている。この姿は高橋洋一氏に限らず、今や日本の官僚全体に当てはまることなのではないか。例えば、2007年7月9日の記事「アメリカと日教組の奇怪な『野合』の産物=ゆとり教育」にもあるように、’90年代に文部官僚が推し進めた「ゆとり教育」は、アメリカの失敗策を日本に押し付けられたものである疑いが濃厚。


現在は「過去3千年の人類史を覆すほどの大転換期」。つまり未明課題だらけで、既存の常識群に捉われていては答えが出せない時代である。定型課題の処理には長けているが未明課題に対しては何の答えも出せない官僚たちは、アメリカと(その背後にいる国際金融資本)から与えられた、予め答えが決まっている設問に収束してゆく。その設問集の一つが「年次改革要望書」だ。その設問集の答案を受験勉強よろしく作成する。そんなことばかりやっているのが現在の日本の官僚ではないだろうか。


これこそ、受験勉強に長けた秀才たちを集めた官僚制度の弊害の最たるものである。対米従属を喧伝するマスコミ人も同様である。今や「エリート」と呼ばれる者ほど、その肥大した受験勉強脳ゆえに真っ当な状況判断能力を喪失し、従米売国の徒と化しているのである。


(本郷猛)

コメント

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40年来の持論ですが。大学に入った時点では馬鹿ではないのに、役所に入った途端 馬鹿=思考力貧困に陥る。
偉くなるほどそれが進化する。でも是は日本の歴史から必然ですので直らない。頭脳の高い人物が全く役所(特に旧大蔵省)に行かないとうことが社会の共同認識になるまで続くと思います。

  • yamanote-1 2008年03月23日 11:32

yamanote-1さん、コメントありがとうございます。

学校制度の頂点が旧帝大、そこの秀才が官僚になる。つまり学校制度は官僚制度に組み込まれている。あるいは、官僚制度の末端が学校制度です。

このように学校制度と官僚制度は繋がっており、学校制度は官僚制度と同じ問題性を孕んでいると考えています。
ex.勉強さえできればチヤホヤされるとか。こうして未明課題には対応できない秀才が再生産されていくんですね。

  • 本郷猛 2008年03月23日 20:28

本来は、学歴社会は身分社会と対極の平等な社会のはずだったのに。

勉強ができても偉くなれないのが身分社会。

勉強ができれば重用されるのが学歴社会。

  •  2008年03月24日 19:12

高橋洋一氏の本が出ること自体がプロパンガダのようだ。財投制度についての本が浅薄な内容であったが、もてはやされた。今回は講談社。しかし、内幕がわかるようになるから、案外、脇の甘いやつを抱えてしまったと、プリンシパルは思っているのかもしれない。怖いことを一部の官僚にやらせてしまった、政治の統制のなさには、恐怖感を覚える。これからも野放しにしてはならない。

  • Orwell 2008年03月25日 08:42

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