2007年09月24日
格差拡大の構造 ~人件費削減と景気回復で膨らんだ利益が、役員と株主に回っている~

「格差が拡大した」と盛んに言われている割りに、その実態については分からないことが多い。
森永卓郎氏「節約した人件費の向かった先」(日経BPネット)が、その実態と背景に迫っているので、紹介しておきたい。
続きを読む前に、ぜひ応援のクリックをお願いします
![]()
以下、森永氏の記事から引用します。
景気が改善したかどうかにかかわらず、非正社員の比率は上昇し続けているのだ。(中略)
一般的に言って、正社員の平均年収が500万円を超えているのに対して、非正社員は100万円台前半。正社員を減らして、その分を非正社員にすればするほど、企業にとっては節約になるわけだ。
こうした企業の方針がどれほど効果的だったかは、GDP統計の「雇用者報酬」(全労働者に支払われた総賃金)の額でも分かる。それによると、景気が底を打った2002年1~3月期に268兆円だったのに対して、景気が回復したはずの今年4~6月期は263兆円と、むしろ5兆円も減少しているのだ。率にして1.8%のマイナスである。一方、この間にGDPは25兆円、5.1%も増加している。
これはどういうことか。
つまり、経済全体が大きく成長しているのに、働く人にはその分け前が届いていない。それどころか、分け前が減らされているということなのである。
(中略)
例えば、2001年度から2005年度にかけての「雇用者報酬」の推移を見ると、8兆5163億円も減少している。ところが、企業の利益に相当する「営業余剰」は、逆に10兆1509億円も増えているのだ。
非正社員を増やしたことで、4年間で8兆円以上も給料を減らしたのに、逆に企業の利益はそれ以上に増えていることを示しているのである。
(中略)
では、人件費を減らしたことで企業が得た利益は、最終的にどこに行ったのか。
一つは株主である。財務省が発表している「法人企業統計」でみると、2001年度から2005年度までの4年間で、企業が払った配当金は3倍に増えている。
そして、もう一つは企業の役員である。やはり「法人企業統計」によると、2001年度から2005年度までの4年間で、資本金10億円以上の大企業の役員報酬(役員給与と役員賞与の合計)は、なんと1.8倍になっている。さらに、先日、日本経済新聞社が発表したデータによれば、主要100社の取締役の2006年度分の報酬は、ここ1年で22%も増えていることが分かる。
この二つのデータを合わせると、2001年度から2006年度の5年分で、大企業の役員報酬は倍増している計算になる。具体的な額として、日経新聞には、今年の1人あたりの役員報酬は平均6000万円と記されていた。
(中略)
これを見れば、小泉内閣の下で進められてきた構造改革で、いったい何が起きたのかが分かってくるだろう。結局、権力を握っている人たちだけが太って、一般の庶民はその割を食っているのである。
森永氏の記事と、それを紹介・分析している『株式日記と経済展望』の記事をまとめたのが、冒頭の図解だ。
構造改革(規制緩和)のおかげで、企業は正社員をリストラして非正社員の割合を増やし、人件費を大幅削減することに成功した。人件費削減と景気回復で膨らんだ利益が、役員と株主に回っている。これが格差拡大の構造だ。
どうすれば良いのか?
「格差」の話は、すぐに「どうしたら格差がなくなるの?」という問題に行き着く。しかし、そこに落とし穴がある。格差の実態を押さえつつ、「格差社会の”何が”問題なのか」「その現象を生み出している根本構造とは、何か?」を追求することが重要だ。
「格差社会」という言葉が作る悪影響 by ヤガ
- by yaga at 13:17

コメント
はじめまして!
格差社会について次の事柄から検討してみてください?(素人の知恵ですけれど!)
よく話されることで「食糧の価値観を家計費の割合で上げてゆくことです。(失業者0になるところまで)」
というものがありますが、エンゲル係数が上がると失業者が減るという関連性が私には分かりません。少し説明をいただければ助かるのですが?
失業者が仕事を選ぶとき、自分の給料の3割減の職業を選ぶのが限界です。農業界と平均賃金が近づけば近づくほど、農業界で失業者を吸収できる可能性が高くなります。
検討を! (仙台のくまさんです!)
はじめまして!一言コメントさせてください?
。①私はあるときこの国のお金が一定のお金で動いていたとしたらどうなるのかなと素人ながら考えてみましたら、たまたま、この国のいろんな数字が説明できるものですからね!(現実には一定のお金と借金のお金が同時に動いてます、ですから。一定のお金で動いてるといゅ事にきづかないのではないかなとおもってます。)
②工業製品は作るだけ作りますと耐用年数分仕事が切れます、その時失業者が出ます。食糧生産は人口当たりいつも一定です。ですから、失業者が出たとき農業界で失業者を吸収できるように、(工業界が立ち直るまで農業界で吸収しておく〕。。。
③工業製品の開発は、一年に何度も繰り返し実験が出来ます。それゆえに、開発スピードは速くなりますが、農業製品の開発は一年に一度しか実験が出来ません、ですから開発スピードは遅れます。当然開発スピードの速い職業が価値観が出ます。
ここで、工業界の優秀な方々が農業界の開発に携わっても今のスピードと思います。ですから、人のやる仕事です、工業界の平均賃金と農業界の平均賃金は同じになってなければならないのではないでしょうか?(失業者0のとき)。。。。。
早急に検討を!..NO2 (仙台のくまさんです!)
「早急に検討を!」について
この事も書き込んでおきましょう!
私が最近思えるのはどうも
この国の賃金は失業者0の時のエンゲル係数、
とこのときの農家一人当たりの労働報酬が
社会全体の賃金のベースに思えてならないのです。
このときの農家一人当たりの面積がいかほどか?
そして今自由化でこの面積の一人当たりが
いかほどの労働報酬になってるか?
そして社会全体の平均労働報酬をこれよりも下げ、
そのさがくでかえさなければならないようですよ?
食料の価値観を下げて解決した場合には、
何百年ものの年数をかけて解決しなければならないようです。
もうひとつの解決方法は食料の価値観を上げて解決します。
この場合は年数が少なく財政赤字を減らすことが出来るようですよ?。。。
以上の効果として外国へ出した産業が戻り、
起業率アップに繋がり雇用率のアップに繋がります。。。。
高い技術を持つてる内に早く転換すべきです。
もう一つ、この事も書き込んでおきます、(これからの若い人たちのためにも)?。。
戦争といゆものは、歴史上工業界の平均賃金と農業界の平均賃金の差がつき過ぎることからおきるようですよ?
戦争によつて食糧の重要さが出てきて、工業界の平均賃金と農業界の平均賃金が圧縮され、是正され、また年数が経つと工業界と農業界の平均賃金が差がつき戦争へと、何十年周期に戦争が起きるようになってるようです。
戦争を回避するためには人為的に工業界の平均賃金と農業界の平均賃金を近づけることです〔失業者0になるところまで)。
今、アメリカでは低所得層の住宅ローンが焦げ付き始まりましたね、これを回避するためには、アメリカの食糧の価値観をアメリカの家計費の割合で上げてゆくことです〔失業者0になるまで)。そうすれば、アメリカといゆ国は落ち着いてくると思いますがね。
潰れてゆくアメリカの真似事に集中しておるこの国〔日本)の国民性はどうなっておるのでしょうか?ましてや、この国は自給率が非常に低いです。この先のこの国の行く末の危険性を感じます。
財政問題にしろ、医療問題にしろ、年金問題にしろ、教育問題にしろ、格差問題にしろ、解決方向に向かわせるためには食糧の価値観を家計費の割合で上げてゆくことです。(失業者0になるところまで)。。。
追記。。。
①経済ジャーナリスト森本卓郎氏の農業に対する考え方はこの国を救います。
追記
戦後の農地開放は正解のようですね!
何年か前に民主党の方が昭和16年の財政状態でこの先どうするんだ。と話をしてた方がおりましたが、もしも、小作制度の中で今の経済が営まれてたとしたら、もうとっくの昔、鉄砲を持つて戦い始めておるようですね?片肺飛行経済をしておるのは、農家が農地を維持管理できる間だけのようですね?
テーマ
循環経済へのよもやま話
リンク先:「格差社会」という言葉が作る悪影響 より
>「格差社会」を言い募れば募るほど、
>「要は世の中、”金”なんだよ」という言説に、
>(無意識だろうと思いますが)その人自身が同意していることになります。
僕も少なからず、そう思ってました。
「金の全能性」が染み付いているってことなんですね。
それにしても
雇用者の報酬だけダウンさせて、
株主と役員報酬だけUPさせているのはひどい話ですね!
雇用者=社員に分配しても、ろくな事に使わないし、タンスにしまったままにしたりするので、景気対策上はこの貧民への分配を減らす、というレーガノミックス政策は正しいように思われます。
それに、社員になるべく給料を払わないというのは、会社の姿勢としては一般的であるように思うのですが。