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2007年09月09日

アメリカを操るイスラエルロビー・・・・アメリカ国益派の反撃

昨年春発表されたイスラエルロビー批判論文がこのたび日本で出版された。


ジョン・ミアシャイマーとステファン・ウォルトという2人の保守系学者が、昨年2006年3月10日に、米国の外交政策がイスラエル系の圧力団体に支配されていることを批判する論文「The Israel Lobby and U.S. Foreign Policy」を発表。アメリカでは大きな反響を呼んだ。


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                  Stephen M. Walt, left, and John J. Mearsheimer

二人は、米国の著名な保守系政治学者(リアリスト:現実主義者と呼ばれる学派)の重鎮。2003年にイラク戦争開戦にも“国益にあわない”と反対したらしい。
この論文は、イスラエルの米国における圧力団体ぶりをよく示しているので、要約したものを投稿します。


(全文は国際情勢の分析と予測参照)
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この地域(中東)での米国の政策の要点はほとんど全てが国内政治に、特にイスラエル系圧力団体の活動に由来している。・・・・・イスラエル系圧力団体は同時に米国と外国-この場合はイスラエル-の国益が本質的に同一であると米国民に信じさせた


●米国への諜報活動
イスラエルは細心の注意を払うべき軍事技術を中国のような米国の潜在的な対抗者に供与してきた。国務省の査察官はそれを「体系的で増大傾向にある、公的に承認されない供与」と呼ぶ。
また、会計検査院によれば、イスラエルは「米国の全ての同盟国の中で米国に対し最も活発なスパイ活動を行っている。・・・・・・・イスラエルは米国に対して諜報活動を行う唯一の国であり、自国の重要な後援者に対し諜報活動を行う意欲はその戦略的価値により深い疑いを投げかける。


●イスラエル系圧力団体
ユダヤ系米国人は米国の対外政策に影響力を行使するために多数の強力な組織を作り上げた。その中でもアメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)が最も強力で有名である。
イスラエル系圧力団体にはゲーリー=バウアー、ジェリー=フォルウェル、ラルフ=リード、パット=ロバートソンなどの著明なキリスト教福音主義者に加えてディック=アーメイやトム=ディレイなどの米下院の多数派の指導者達が含まれる。彼らは全員、イスラエルの復活が聖書の預言の成就であると信じており、イスラエルの拡張主義政策を支持する。そうしないならば神の意志に背くことになると彼らは信じている。


●行政機関への影響力行使
ユダヤ系住民は全体の3%未満の人口しかいないのだが、彼らは民主党と共和党の両方の候補者に多額の選挙献金を行う。ワシントンポスト紙は、民主党の大統領候補は選挙資金の60%をユダヤ系の支援者から得ているとかつて推計した。

イスラエル系圧力団体の中でも重要な組織は、イスラエルへの批判者が対外政策に関連する重要な職に確実に就かないようにすることを実行している。
クリントン政権時代、米国の中東政策は主にイスラエルと緊密な関係を持つ担当者や有力な親イスラエル組織によって形成された。・・・・この状況はブッシュ政権では更に目立つ。


●マスメディアの操作
イスラエル系圧力団体の物の見方は主流派のマスメディアでも優勢である。「中東専門家の間の討論はイスラエル批判を想像することすら出来ない人々に占拠されている」とジャーナリストのエリック=オルターマンは記している。
好ましくない報道を阻止するために、イスラエル系圧力団体は反イスラエル的と見なすマスコミに対し投書運動や示威運動、不買運動などを組織的に行う。

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こうして作られるイスラエルのアメリカ政界への影響力は、   ~田中宇 イスラエルの逆上~ より

イスラエルは、在米のイスラエル系政治圧力団体を使って、アメリカで選挙が行われるたびに強力な影響力を行使し続けており、アメリカの政治家は今やほとんど誰もイスラエルに楯突くことができない。
・・・・・ほどで、まるで日本の政界に対するアメリカみたいな存在になっている。いわばアメリカハンドラーズ。


ではイスラエルロビーのアメリカ支配を批判した2人はどのような人物で目的は何か?
●2人はアメリカの国益派
 ~副島隆彦の学問道場 ~より

二人はいわゆる左翼系の学者などではなく、きわめて保守的で、アメリカの国益という目的のもとで、政府に対して政策提言を行う戦略家であることが分かる。彼等は決して反イスラエルではない。リアリスト(現実主義)という思想系譜では、そのような「反~」という好き嫌いの感情は意味を持たない。重要なのはアメリカの国益である。アメリカの国益を実現するために、イスラエルという国に過度に肩入れすることを要求する「ロビー」のやり方に異論を唱えているのである。・・・・(中略) イスラエル・ロビーは異常なほどの影響力がある、従ってアメリカの外交政策に悪影響を与えているのでただす必要がある、というのが二人の主張なのだ。 


ではそのイスラエルを動かしているのは誰なのか?
イスラエルの右派リクードは、かって1970年代にアメリカからイスラエルに移住した連中を多く含んでおり(関連記事:イスラエルの逆上)、アメリカのネオコンと連動して動いている。そこから考えてロックフェラー系の手が入っていると考えて間違いないだろう。
(イスラエルのアメリカへの影響力が低下するということは、ロックフェラーの中東政策・国内影響力の一つが切られることを意味する。)


今後この動きが、どう広がるか?大本の国際金融資本(ロックフェラー)との攻防へ向かうか?かってのマッカーシズムのように沈静化されるか?


それにしてもアメリカは、金で動く国だということは記憶しておいたほうがよいかもしれない。最近では中国ロビーが、アメリカ民主党系、とくにヒラリー・クリントンに大量の献金を行っていたことが判明した。従軍慰安婦問題を再燃させたのも、中国ロビーの献金で動いた民主党議員だった。
イスラエルロビーの存在は、イスラエルの真似をすればアメリカを動かすことができると証明している。中国ロビーはイスラエルから学んだのだろう。


日本も米国債を買ったり資産をアメリカへ切り売りするより、その資金でジャパンロビーを作ってアメリカを操作することぐらいは研究したほうがいい。

(by Hiroshi)

コメント

そもそも「アメリカの国益」って何なのか?

このイスラエルロビーの話で言えば、実は「イスラエル(ユダヤ)の権益」ですよね。

国家が市場に飲み込まれている時代には、国益=一定の人々の権益、という方式が成立しているようだ。

  • タケムラ 2007年09月11日 22:16

確かにこれは気になります。

http://www.afpbb.com/article/politics/2274301/2057665

【8月30日 AFP】米国の対イスラエル外交・軍事支援が米国益に適うものかどうかに疑問を呈す内容の書籍が、9月4日に出版される。これまでタブー視されてきた問題も取り上げており、中東地域で米国が果たす役割をめぐって、議論が高まることが予想される。

 「The Israel Lobby and US Foreign Policy(イスラエルのロビー活動と米外交政策)」と題したこの本は、シカゴ大学(University of Chicago)のジョン・ミアシャイマー(John Mearsheimer)教授とハーバード(Harvard)大学のステファン・ウォルト(Stephen Walt)教授の共同著作。

 米国でも有数の政治学者である2人は、同じテーマで昨年発表した論文で、米国がイスラエルを支持する理由は、戦略的、倫理的な背景からでは十分に説明することができないと指摘。むしろ、在米ユダヤ人団体のロビー活動や、これに共鳴するキリスト教原理主義者、新保守主義者らの圧力によるとみるべきだと主張し、議論を巻き起こした。

 今回出版される本でも、こうした「無条件のイスラエル支持政策」を長年続けてきたことが、中東地域における米国の外交政策のバランスを欠く結果を招き、イラク戦争や、イラン・シリア両国との関係緊張化、欧米諸国の安全保障面での脆弱(ぜいじゃく)化などにつながったと主張。

「イスラエルには、多くが主張するような米国にとっての戦略的価値はない。冷戦時代にはあったかもしれないが、冷戦後においては負債としての側面が大きくなりつつある」「イスラエルの厳しいパレスチナ政策を無条件に支持してきたことによって、世界中で反米主義が高まり、テロの懸念も増した。欧州、中東、アジアの重要な同盟国との関係にも亀裂をもたらした」などと述べている。

 この本について、米ユダヤ人団体「名誉毀損防止同盟(Anti-Defamation League)」の最高責任者、アブラハム・フォックスマン(Abraham Foxman)氏は、「アラブ-イスラエル間の紛争や米国内のイスラエル支持者の役割について、陰湿で偏った視点に基づいて記述している」と酷評。対抗して同日付で、「The Deadliest Lies: The Israel Lobby and the Myth of Jewish Control(史上最悪のウソ:イスラエルのロビー活動とユダヤ人支配説について)」と題した自著を出版する予定だ。(c)AFP/Luis Torres de la Llosa

  • 名無し 2007年09月29日 17:43

・・・・そうですね。
最近衰退しつつあるネオコンと軍主流派の間で対立が激化してきています。

衰退しすつあるネオコンとイスラエルは焦っている。
イスラエルのシリアの空爆
ネオコンによるイラン核攻撃の失敗
参照:http://amesei.exblog.jp/

・・・・など、アメリカ軍の内部闘争も見逃せなくなってきた。


  • Hiroshi 2007年09月30日 11:27

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