2007年05月07日
世論操作の方法 :「とまどえる群れ」をどうコントロールするか?
では、マスコミなどの特別階級は、どのようにして、“とまどえる群れ”としての大衆をコントロールしたのだろうか?大衆を操作するために広報(PR)産業→マスメディアを使った。この方法は1910年代~1920年代に開発され、テレビの普及とともに確立され今日に至っている。
・・・・アメリカ発の民主主義の真実!・・・の続きです。
(ノーム・チョムスキー)
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『メディア・コントロール』 ノーム・チョムスキー著 より
・広報(PR)産業を開拓したのはアメリカである。業界の指導者たちも認めるように、その目的は「大衆の考えを操作する」ことだった。彼らはクリール委員会の成功や、「赤狩り」とそれに続く世論形成の成功に多くを学んだ。
・広報産業は巨大になり、1920年代には大衆が企業の原則にほぼ全面的に従うまでになった。
・広報業界の人々は面白半分で、そこに身を置いているわけではない。彼らは仕事をしている。正しい価値観を世間に吹き込もうと努力している。
・彼らの頭には、民主主義社会のあるべき姿が想定されている。それは特別階級が、自分たちのご主人のために、つまり社会の支配者のために働くことを教え込むことができる体制でなければならない。そして、残りの人々はいかなる組織にも所属させてはいけない。組織は面倒を引き起こすだけだからだ。
・大衆はテレビの前にぽつねんと座って、頭にメッセージを叩き込まれていればよい。テレビはメッセージを繰り返す。人生の唯一の価値は、もっとモノを所有し、お前が見ている裕福な中流家庭のような生活をして、社会調和とかアメリカニズムのようなすばらしい価値観をもてることだ。人生にはそれしかない。
・いや、それ以外のものがあるはずだと考えるひとが、あるいはいるかもしれないが、ひとりでテレビの画像を見つめているものだから、きっと自分のほうがおかしいのだと思ってしまう。
・彼らを常に怯えさせておくことも必要だ。自分たちを破壊しにやってくる内外の様々な悪魔を適度に恐れ怯えていないと、彼らは自分の頭で考えはじめてしまうかもしれない。それは大変危険なことだ。そもそも彼らには考える頭などないのだ。
・これが民主主義社会の1つの想定なのだ。実際、ビジネス界に話を戻せば、労働者の法的勝利は1935年のワグナー法の制定で終わっている。戦争になると組合は衰退し、組合と結びついた労働者階級の文化も衰退した。それらは破壊されたのだ。
・それ以後、アメリカは驚異的なほど財界が牛耳る社会になった。・・・・メディアは企業の占有物であり、いずれも同じような見解をもっている。二大政党といっても財界という党の二つの派閥にすぎないのである。国民の大半は投票にも足を運ばない。彼らは社会の動きから取り残され、うまいこと関心をそらされている。少なくとも、それが支配者の狙いなのだ。
・広報業界の大立者、エドワード・バーネーズは、クリール委員会の出身である。彼はそこで教訓を学び、後に「合意形成工学」なるものを発展させた。彼によれば、それが「民主主義の本質」なのだという。合意の形成を工作できる人々は、それをするための資源と権力をもつ人々、すなわち財界人であり、残りの人々は彼らのためにひたすら働くのである。
注)クリール委員会:第一次大戦開始時、アメリカ世論は平和主義一色で、ヨーロッパの戦争にアメリカがかかわるいわれはないとされていた。ウッドロー・ウィルソン政権は、アメリカを戦争に導く為に政府主導の宣伝委員会「クリール委員会」を設立。半年足らずで、平和主義の世論をヒステリックな戦争賛美に転換させた。 (参照『メディア・コントロール』)
ここには、非常に重要な大衆操作の原則がいくつか書かれていると思う。
①大衆はテレビの前にぽつねんと座って、頭にメッセージを叩き込まれていればよい。
→コントロールする側から、絶えずそうして圧倒的な情報量で、支配的な価値観念を刷り込まれ、それが当然のように思いこまされていく。
②彼らを常に怯えさせておくことも必要だ。
中南米やベトナム、最近では湾岸戦争やイラク戦争など、アメリカが参戦するとき国内にむけて敵の虚像が作り出され(ex大量破壊兵器、悪の権化フセインなど)、TVで放映されて、大衆の敵意を煽っていく。しかしフセインを作り上げたのはアメリカであり、大量破壊兵器もでっちあげだった。大衆を戦争に引きずりこむために悪魔を自分で作り出していたのだ。
※日本における近年の北朝鮮ミサイル騒ぎ→MD配備や憲法改正も同じ方法論。
・・・・国民は本当なら、だれも人を殺したり、殺されたくはない。それだと戦争を起こせないので、戦争を望む統合階級はTVなどで煽るのだ。そうすれば、普通の人々は自国を守る本能的な当事者意識は持ち合わせているので、それが刺激され、国論を統一させ参戦するのである。これは相当ヤバイ仕組みだし、本来まっとうな人間の防衛意識を利用した極めて悪質なコントロール方法だ。
このようにして、普通の人々(大衆)はコントロールされてきた。
このような方法は、‘00年代の日本でも威力を発揮した。2003年イラク参戦や2005年の小泉選挙。上記の方法論に長けたアメリカ支配勢力が、本格的に日本の政治家とマスコミを操縦し、直接支配に乗り出した。今後日本の国民も、アメリカ人並みに、マスコミを使った方法で洗脳されていく危険性が高い。戦争に引き釣り込まされる危険性さえある。
しかし焦ってはいけないと思う。人々もTVやマスコミの胡散臭さに気がつきつつあるし、傍観者(とまどえる群れ)では耐えられないことも分かってきた。民主主義(選挙)という場は空洞化し、当事者意識に飢えた人々はネットや出版などの新しい場を築きつつある。この流れは変えられない、政治家やマスコミという“特別階級”の空洞化こそ始まっている!
ただ相当注意する必要があるのは確かだし、黙っていては始まらない。この流れを確実にする為には、(当事者意識に目覚めた)人々の発信・発信できる場の形成こそが必要になるのではないだろうか?
みなさんは、どう思われますか!?
(by Hiroshi)
- by ihiro at 19:18

コメント
初めまして。「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」のトラックバックから来ました。
チャーチルが言ったという、「民主主義は最悪の政治であるが、今まで存在したいかなる政治制度よりマシである」 という言葉をかみしめつつ、最近の日本やアメリカ、あるいはフランスなど状況のことを考えています。「ジャパン・ハンドラーズ」のアルルさんにもいろいろと勉強させていただいていますが、今回の二つのエントリーは、頭を整理するのに役立ちました。
「最悪」としても、それ以上のやり方が思いつかない以上、一番票をたくさん持っている「3.一般の人々(大衆)」が動くしかありません。それは、「便政民営化選挙対策」で分類されたという、「B層」の人達といっていいと思います。
> (当事者意識に目覚めた)人々の発信・発信できる場の形成こそが必要になるのではないだろうか。
B層対策として、ワイドショウへの工作が行われたと言われます。私自身、なんだかダルイ時とか、ワイドショウで時間をつぶすことがあります。そういった部分も取り入れた「場の形成」ができればいいと思うのですが、…
SeaMountさん、こんばんは。僕も「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」よく読んでいます。思えば1年半前の郵政民営化の小泉選挙の際に、なんか世の中おかしいと思い、最初に手にした本が、アルルさんの「ジャパンハンドラーズ」でした。そのときの危機感からネットや本を読み漁って、自分自身ようやく大きな構造が理解できてきた感じです。
>B層対策として、ワイドショウへの工作が行われたと言われます。・・・そういった部分も取り入れた「場の形成」ができればいいと思うのですが・・・
そうですね、ついついTVって見てしまいますよね。・・・・・ただ、マスコミへの不信感はジワジワと膨らんでいるのも事実なので、変わるときにはB層含め一気に変わる予感も持ってます。その時に一気に新しい場を形成!
そのためにも、マスコミのおかしさをどんどん発信することって重要ですよね。
※現代の民主主義の最大の問題は、情報発信の場をマスコミが占拠して、一方的に莫大な情報量を流していることだと思います。とすれば、マスコミに変わる場を形成できるかどうかがカギになると思います。その場は双方向で、だれでもアクセスできるネットではないでしょうか?
チョムスキーって、たいしたこと無いと思ってきたのですが、やはり凄いと思ったのは、以下の一節。
(引用開始)
権力に向かって真実を語るという行為に意味はない。ヘンリー・キッシンジャーに真実を語る意味はない-なぜなら彼にはもうそれが分かっているからだ。
『秘密と嘘と民主主義』から
(引用終わり)
>権力に向かって真実を語るという行為に意味はない。
ほほーっ。なるほど。
では、真実を語るべき相手は、権力を持たない大衆なんでしょうね。
権力者が隠したがる真実を、単に暴くだけでなく、そこからどう変えていけるか?
その力を持つ「場の形成」こそが、重要だと思います。
アルルさん、こんばんは!
「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」いつも、興味深く読んでます。
今の日本の現実とヤバさ、危機感。そして日本や世界と欧米の支配勢力の真実・・・・追求する際にいつも参考にさせてもらってます。
また、そちらにもおじゃまします。
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