2007年03月01日
シュワブおばさん、日本を恐喝

すっかり話題から遠ざかったように見える郵政民営化ですが、2007年10月の民営化に向けて、ちゃくちゃくと事は進んでいます。そんな中、アメリカから届いたニュース。
郵政民営化、不公平ならWTO提訴も・米USTR代表
シュワブ米通商代表部(USTR)代表は14日、日本の郵政民営化について米国企業と公平な競争条件を保てないと判断すれば、世界貿易機関(WTO)への提訴も辞さない厳しい姿勢で臨む考えを明らかにした。米下院の歳入委員会の公聴会で発言した。郵政民営化の進め方について「非常に注意深く監視している」と強調。法的な措置をとる可能性について「必要なら模索する」と語った。
米側が特に問題にしているのは貯金と保険の分野で米国系企業が不利にならないようにすること。米生命保険協会は1月末、民営化で10月に発足するゆうちょ銀行とかんぽ生命保険に関して新規事業の拡大を政府が早期に認めるのに反対する意見書をまとめた。
USTRは「民営化に反対しているのではなく、不公平な措置がないかどうかを点検している」と説明してきた。シュワブ代表がWTO提訴の可能性にまで踏み込んだ背景には、ブッシュ政権の求心力が低迷する中で、議会や業界に強硬な対日姿勢を印象づける狙いもあるようだ。
2007年2月15日 日経新聞
シュワブ代表に問題にされたのは↓
郵便貯金銀行及び郵便保険会社の新規業務の調査審議に関する所見
この所見の中で、ゆうちょ銀とかんぽ生命が、09年に予定されている上場の前に、新規業務に参入する、という方針が明らかにされています。
政府による暗黙の保証が払拭できない段階での業務拡大は”護送船団方式の復活”であり、日本で業績を伸ばしている米系生保の不利になるような民営化方針をしたら、WTOへ提訴するぞ、という脅しです。
↓「意見書」という題名の脅迫状PDF
在日米国商工会議所による意見書
いわゆる年次改革要望書にも、この文言は記載されています。
日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書2006(PDF)
II-A-3. 暗黙の政府保証資源のない国の日本人が、一生懸命働いて貯めてきた大事なお金が郵貯・簡保の350兆円です。 郵貯が国有であったならば、さすがにこんな脅しは内政干渉です。 しかし、民営化したとたんにWTOの俎上に載せられてしまうのです。
日本政府が郵政金融機関の政府保有株式を完全売却するまで、2007年10月以降に提供する商品に政府保証が付されないことを消費者や市場に周知させるため有効な方策を講じる。加えて、実際の販売方法を注意深く監視し、関連法を執行して、2007年10月以降の新勘定および契約にも政府保証が付いているかのように偽って伝えることがないようにするとともに、郵政金融機関が政府との関係をてこに市場の競争相手より優位な地位を獲得するようなことがないようにする。
小泉構造改革の目的である”日本人の財産を外国人に売り渡す”という本質が明らかになったニュースではないでしょうか。
- by taku at 21:51


コメント
>郵政民営化について政府の郵政民営化準備室と米国政府・関係者との協議が2004年4月以降、18回行われ、5回は米国の保険業界関係者との間であったことを、2005年8月5日開催の郵政民営化に関する特別委員会で大門実紀史参議院議員の質問に竹中郵政民営化担当相が答えて明らかにしている。さらに、2005年3月に発表された米国通商代表部(USTR)の「通商交渉・政策年次報告書」には、2004年9月に閣議決定した「内閣の設計図」(小泉内閣の基本方針)に「米国が勧告していた修正点が含まれている」と述べ、米国の圧力で郵政民営化法案の骨格が書き換わったことを、米国政府自身が公式文書に記載している。
「郵政民営化」出典: フリー百科事典『ウィキペディア』
記事を読んで気になり、ウィキペディアで「郵政民営化」と調べたら上のコメントが初めに出てきたのでびっくりした・・・。
(中身はまったく無かったが)選挙のときはあれだけ馬鹿騒ぎで盛り上がったのに、肝心の中身については完全にアメリカの言いなりでアメリカ企業のいいように民営化の中身が決められていることがまったくクローズアップされない。
視聴率主義の捏造・ゴマカシマスコミに変わる「事実追求の場」が必要性をあらためて感じました。
今回のシュワブ米通商代表部代表の発言は、一面的には米国代表として自国の企業を守るための言葉と言えなくもない。
しかし、大きな流れを考えると、日本の郵政民営化を確実にアメリカの思惑通り(アメリカは全く損害を被らずに日本の資産を奪う)に完遂させる決意表明に他ならない。
われわれ日本国民も、シュワブ女史以上に郵政民営化の動向を「非常に注意深く監視」する必要がある。
単に郵政民営化の問題としてではなく、アメリカ主導の改革がどのように進むのかを理解し、米従路線による滅亡への道を回避するために。
郵政民営化というのは、郵便にクロネコとか佐川が参入することかな~と思ってたんですが、そんなことはどうでもいいことだったんですね。
日中国境のガス田の中国側による掠奪が問題になっていますが、郵政民営化も日本の資産が外国に流出するという点では同じです!
>郵政民営化、不公平ならWTO提訴も・米USTR代表
>シュワブ米通商代表部(USTR)代表は14日、日本の郵政民営化について米国企業と公平な競争条件を保てないと判断すれば、世界貿易機関(WTO)への提訴も辞さない厳しい姿勢で臨む考えを明らかにした。米下院の歳入委員会の公聴会で発言した。郵政民営化の進め方について「非常に注意深く監視している」と強調。法的な措置をとる可能性について「必要なら模索する」と語った。
日本国内では、熱も冷め、世間で話題に上がることも少なくなってきた「郵政民営化」。しかし、アメリカは約10年も前から、郵政民営化を迫ってきていたという歴史もあり、その落着点の動向が注目されている。日本ではあまり取り上げられてはいないですが、郵政民営化が決定した時には、アメリカのウォール街が沸いたと言われているほど注目度は高い。
そもそも、郵貯・簡保のメリットは何か?それは、郵貯の定額貯金は政府により払い戻しが全額保証されているし、簡保は政府により保険金支払いが全額保証されている。民間の銀行なら預金保険機構に、保険会社なら保険契約者保護機構に保険金を支払わなければ保証されないが、郵貯や簡保にはその必要がない。また民間銀行のように日銀に法定準備金を積む必要もないので、民間よりも有利な条件で金融商品を提供する事ができる。リスクがなく、(利便性等を総合的に勘案した)リターンが相対的に高いので資金が郵貯、簡保に向かうのは当然であった。
この優位性を取り除くのが、「郵政民営化」であり、郵貯、簡保に集まった資金を海外企業が狙っているのである。
そして、郵政民営化が実現した現在、政府の補助輪がついた状態で、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険が新規事業に参入すると、アメリカ企業がそのシェアを伸ばす可能性が少なくなってしまう。シュワブ代表は、「門外不出であった350兆円という資金が大きく動こうとしているの邪魔するな!」といっているのに他ならない。