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2006年10月26日

日米中の三角関係の行方

北朝鮮の核実験を契機に、米中関係、日中関係、日米関係に新たな局面が現れてきた。中国を味方にしてアジアをおまかせにしたいアメリカ m199 、日本を巻き込んでアジアの覇権を手にいれたい中国 Cool 、そしてアメリカへの従属を続けていきたい日本政府 m196 。 以下、「田中宇の国際ニュース解説 」からの引用です。

胡錦涛は、金正日の核実験をやめさせることはできなかったとしても「どうしてもやるというのなら、実験をするタイミングは、こちらが良いといってからにしてくれ」と、注文をつけることができたはずである。つまり中国は、北朝鮮がいつ核実験をやるかということを制御できる立場にいた。

 ここで私が推測するのは「胡錦涛は、日本の安倍新首相を中国に来させて日中関係を好転させるために、北朝鮮の核実験を使ったのではないか」ということである。


中国が、日本との関係改善を望むのは、アメリカが中国に「国際社会での責任をもっと果たしてくれ」「アメリカに頼らず、中国が中心になってアジアの問題を解決してくれ」と求め続けているからである。ブッシュ政権は昨年夏から、中国を世界運営に責任を持つ勢力のひとつ(responsible stakeholder)にすることを、対中政策の中心に掲げてきた。
中国政府は、アメリカが自国に、国際社会における責任と覇権の一部を割譲したがっていることを、自国が大国になるチャンスと見て、ある程度は受け入れつつも、外交に力を割きすぎると、なかなか安定しない内政や経済の問題がないがしろになるので、躊躇し続けている。このため、胡錦涛政権は「アジアの大国としての責任は、中国だけでなく、日本というもう一つの大国にも果たしてもらいたい」と考えて、日中関係を改善して「戦略的関係」にまで高め、日中が協調してアジアを主導していきたいと考えてきた。
このような経緯を踏まえると、10月8日の安倍の訪中は、中国にとって、かねてからの希望がかなった出来事だったことが分かる。安倍は1泊のあわただしい北京訪問で、胡錦涛国家主席、温家宝首相、呉邦国全人代常務委員長(国会議長)という、中国のトップ3の指導者全員に会った。胡錦涛は、昨年4月に小泉前首相とのジャカルタ会談で実現しようとして果たせなかった「日中を戦略的関係にまで強化する」という目標を、安倍との会談で果たし、日中関係を「戦略的互恵関係」にするという共同声明を出した。
 安倍は本来、小泉以上の日米同盟重視派とされていたから、小泉の路線を継承し、できる限り対米従属を続け、中国と一緒にアメリカ抜きのアジアを切り盛りすることなどまっぴらだったと推測される。そんな安倍に対して「首相になったらすぐに中国に行きなさい」と命じることができるのは、アメリカだけである。公明党や財界など、日本国内にも、日中関係を改善したい勢力はあるが、それらの勢力からの要請なら、安倍は、首相になったばかりの時に急いで訪中する必要はない。
ブッシュ政権の対中戦略は、議会などの反中国派に配慮して、表向きは「中国包囲網」などで中国を敵視するそぶりを見せつつ、実際には中国を少しずつ覇権国の方向に押し出していく「隠れ多極化戦略」である。こうした「戦略的な曖昧さ」重視のため、ブッシュ政権はこれまで、日本政府に対中関係の改善を強くはっきりと求めることはできなかった。

 だが、北朝鮮が核実験するとなれば、話は別である。核保有国になった北朝鮮に対峙するためには、周辺諸国は団結せねばならない。「日本と中国が仲違いしているのは非常にまずい」とアメリカは日本にはっきりと言うことができる。

北朝鮮の核実験が不可避になった時点で、中国側は金正日に「中国が良いと言ってから実験を実施せよ」と命じる一方で、アメリカに「核実験後の北朝鮮との交渉に中国が責任を持つから、その代わり、日本の安倍に、首相になったらすぐ中国に来いと言ってほしい」と求め、かねがね中国に責任を持たせたいと思っていたアメリカは中国の提案に応じ、安倍に「もうすぐ北朝鮮が核実験するから、早く中国との関係を改善しなきゃダメだ」と強く言って訪中を実現させ、中国は北朝鮮に「安倍が中国を離れたら核実験しても良い」とゴーサインを出し、核実験は安倍が北京から離れた半日後に実施された、というのが私の仮説である。

北朝鮮と中国のやりとりについては推測部分が多いのだが、アメリカが中国を敵ではなく、味方として扱う方針転換は、米国内でも公にされている。

ところが今では中国はアメリカの「敵」から「重要な味方」に変身し、北朝鮮の核問題に象徴されるアジアの安全にかかわる諸問題を多国間で解決するための枠組みとして、米政府はアジア版NATOを提起している。「アメリカは中国に頼らないと北朝鮮やイランの問題を解決できない」という論調も、最近アメリカの新聞によく載るようになった。

この変化に、日本がどう対応していくのか。
アメリカに従属しているだけは済まないこの状況は、日本がアジアの中で軍事も含めてどう動いていくかを主体的に考える時期に来たといえるだろう。
                                             byマエ

コメント

>アメリカが中国を敵ではなく、味方として扱う方針転換は、米国内でも公にされている。<

アメリカにとって中国を見方に付けられるかどうかは、死活問題なのではないだろうか?

るいネットの投稿に
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=116711
>現在、反米感情を抱いている人々は世界人口のだいたい2/3くらいで、今後ますます世界中が反米に傾いていくのはほぼ確実であろう<
とある。

中国の人口はもちろんのこと、今の経済発展を考えると敵に回すより、見方につけておいた方がよいという判断が下されてもおかしくない。

でも、そんな単純なものでもなく、もっと狙いがありそう?

同じく、るいネットから
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=135655
>現在中国は北朝鮮の豊富な地下資源を手中に収めている。・・・<

中国と仲良くしておいて、(中国が手中に収めている)北朝鮮の地下資源を掠め取ることではないだろうか?


アメリカは、反共産主義=中国は敵国だったものが、急に反転することは難しい。そこでアメリカの属国かつ同じアジア圏の日本に仲介させる。

日本は、うまく利用されているだけではないか!?


  • にっしん 2006年10月28日 23:15

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